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学生やめて久しいので休みなのかどうかもう全然わからん。でも冬休みはクリスマス前後からだよなあ、まわし

「なに言ってるんですか。久しいもなにも、先輩が卒業してまだ一年経ってませんよ」
「俺は過去に囚われない男だ」
「もう一度言いますけど、一体なにを言ってるんですか」
「俺は常に未来しか見ていない。過去は振り返らない。学生時の習慣もまた然り」
「去年の今頃、先輩は年賀状用の芋版を作る!とか言ってサツマイモ買い漁ってましたよね」
「ああ、あの焼き芋うまかったな!やっぱ焚き火でやるとホクホク感が違うよな」
「思いきり覚えてるじゃないですか」
「あの後小火になりかけたよなー。あれは焦ったな!」
「その様子だと、全然反省してないですね」
「あーなんか焼き芋食いたくなってきたな。食っとけばよかったなあ」
「……だったら、今から買いに行きますか」
「んで、話を戻すけどさ、冬休みって確かクリスマス前後からだったよなあ」
「え?」
「だから、確かまだ冬休みじゃないだろって話だよ。まだ学校は営業中だろ?」
「営業……まあ、そうですね」
「ってことはだ。お前、学校サボって俺ンとこ来たの?」
「いけませんか」
「良くはないだろ。学生の本分は勉強だ。親の出してくれた授業料を無駄にしちゃイカン」
「先輩に言われたくないですよ」
「ははは、だよなあ。……お、そろそろか」
「……」
「でも正直、驚いたわ。誰にも言ってなかったのにさ。まさかお前が来てくれるなんてな」
「……いけませんか。俺にだって、学校より何より優先したいことくらい、ありますよ」
「あのなあ、そういうくさいセリフはカノジョに言え」
「彼女はいません」
「じゃあ早く作れ。クリスマスまでまだ時間はあるぞ。今年もまた去年みたいに俺と二人で馬鹿やるのは寂しいだろ」
「馬鹿なことをしてたのは先輩一人だけです」
「うわ、きっつ。ほぼ一年振りだっつーのに相変わらずだなお前。……って、ヤベ。もうマジで時間が」
「……先輩」
「じゃーな。元気でな。風邪ひくなよ。雪道で滑って転ぶなよ。勉強頑張れよ。家に篭ってばかりじゃなくて外でも遊べよ。変なもん食うなよ」
「先輩」
「向こうから年賀状出してやるからな。エアメールの出し方わかんねえから、正月ジャストは無理かもしんないけど」
「先輩!!」
「見送り来てくれてありがとなー!すげー嬉しかったー!」

満面の笑顔でこっちに大きく手を振って、先輩は空港の通路の奥に消えていった。