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義弟

「おとうと」
 おいおいおいもうハタチにもなる俺に弟が出来るだなんてどういうファンタジー
だよ。素晴らしいタンパク質ですね何食ったの? とめまぐるしく考えた俺の頭を
はたいた偉大なる母君は、
「馬鹿、何考えてんのよ。義理の弟。義弟よ!」
 とのたまった。

 父親、母親と三人暮らしだった一人っ子の俺に、いきなり弟が出来るのは両親
の営みの成果ではなく、ましてどちらかの浮気でもなくて、親父殿のご友人が
病死した際に自分の息子を我が家に託したからだそうで。いや、一応安心した。
 そんなこんなで三つしか違わない義弟がイキナリ家庭に舞い込んできたこと
には、特に抵抗は無かったのだが。

「ぅおい義弟」
「なんだい義兄さん」
 何故俺はまだ学ランを着ているような身分のオトウトに押し倒されなければ
いけないのであろうか。
「なにその行動。ふざけてるの?」
「なんだと」
 ニコニコしながら俺の服を剥ぎ取ろうとするのは、断じて家族のスキンシップ
に飢えたことから来る行為では、ない。
「いやいやいや。ホントにふざけんなよ。俺は男に服を脱がされる趣味なんぞ
無いし、ご主人様、上着をお取りします的なソレをお前に求める気もさらさら無い」
「それは僕にも無いから。……でも義兄さんは別かな」
 すいませんなんですかその含みを持った言い方は。
 疑問は俺の口を出る前に、微笑む唇で再び俺の奥へと追いやられてしまった。
「冗談みたいだけど、初めて会った時から、義兄さんのことが……」

 冗談ではない目の色をした、義弟に。