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きみといつまでも

―――なんかさ、あいつって変に色白じゃん。
身体つきなんかは意外とがっしりしてたりするのにさ、あいつの印象っていうのがまた、
ニュルニュルっていうかニョロニョロっていうか… なんかとにかく掴みどころもないし、
すっごく変なヤツじゃね?

他のみんながそんな風に僕を噂してるのは知っている。

どうせね、そうさ。
色白なのは生まれつきだし、どうせニュルニュル?ニョロニョロ??どっちの表現でもいい
けど、掴みどころなんてありませんよ。
なんだよ、みんなだってゴツゴツしてたりペラペラしてたりヒョロっとしてたり、どうせ
五十歩百歩のくせしてさ。
―――まぁ、中には。とんでもなくカッコのいい、オイシイ奴だっていたりするけれど。
でも、彼らがすき好んでそういう風に生まれたわけじゃないのと同じに、僕だって望んで
こんな風に生まれてきたわけじゃない。なのになんで、陰口ばっかり叩かれて。

「やぁ、こんにちは。…どうしたんだい?そんなに悲しそうな顔をして」

「え?あ、こ、こんにちは」

突然声をかけられて、驚いて振り向くと。こっそり憧れている彼が、すぐそこにいた。
まるで太陽みたいに綺麗で明るい色を放つ、誰とでも相性のいい、仲良くできる彼。
みんなが憧れる―――そして僕も例外なく密やかに思い続ける彼。

「そうだ。ね、今日は君が一緒においでよ」
「え?で、でも…」
「大丈夫、だって僕たち、最強に相性がいいんだから!だから、ね?」
「だ、けど、でも」
「なんてね。一番の理由は時間が全然ないからってことらしいんだけどさ。でも、僕たちの相性が
いいってのはホントだろ?僕たちがトロトロに混ざり合えば、誰にも負けないくらいに、お互いを
高め合って絡み合って…最高に蕩け合う。君だって知ってるだろ?」

ね?と微笑みかけられて、うっかり頷いてしまう。
遠慮しないで、と手招かれて、彼の後におとなしくついていった。
だって、彼はすごく魅力的なんだ。みんなが憧れてるんだ。本当に。

今日彼と「蕩け合える」という白羽の矢が立ったのはホントに僕らしい。
他の誰かだと色々と手を加えなきゃならないことが多いらしくて、今はそんな時間がないらしい。
どんな理由だっていい。僕らの相性がいいのは本当で、実はものすごく自信があるんだ。
とんでもなくカッコのいいオイシイ奴よりも、僕は彼と混ざり合うことで、もっとオイシクなれるってこと。

僕がまとっていた薄い、ぺらぺらの服を手早く剥ぎ取られる。
ちょっと恥ずかしい―――だって本当に、情けないくらいに色が白いんだ。
でも。

「ふふ。ホントに色白。…キレイ」

隣で見ていた彼がそんな風に呟くから。
僕は促されるまま、足先からとろとろに蕩かされていった。
身体が。…グズグズに溶けていく。彼と混ざり合うために。―――どこまでも最高に高め合うために。
やがて全身とろりと崩された僕の中に、「今日は不要だから」と、透明な膜を捨て去った太陽の色を
した彼が、とぷん、と入り込んできた。

「きもちいいね?」

そんな風に囁かれて、もう何も判らなくなる。
全身をかき混ぜられて、とろとろに彼と混ぜられて。どこが境目かも判らないくらいに一緒になって。

「とろろごはんって簡単で最高に美味しいよね?」

誰かのそんな言葉が聞こえてきた時―――やっぱり僕は僕に生まれてこれて良かったなって思ったんだ。
これから先も、何度生まれ変わっても僕は僕のまま。
ずっといつまでも、黄身といつまでも混ざり合えるように。