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「俺たち友達だよな」

「…俺たち友達だよな?」
俯いたままぽつりと裕太が問いかけてくる。学ランのポッケに両手を突っ込み、俺の少し前を歩きながら。
びゅうっと冬の痛い冷たさの風が吹いた。俺はなんだか面食らってしまい、変な間があいた。
「な、なんつって。冗談だよ」
「友達だよ」
冗談だよ、のだに被せるようにでかい声で返す。
分かっているつもりだ。裕太は「友達」が欲しいんだ。
ポッケに突っ込んだ両手のこうには、母親にやられた火傷の跡がはっきり残ってることを俺は知ってる。
「俺たちは友達だよ。多分ずっと友達だよ」
鼻が痛い。寒いんだ。俺の首に巻いたマフラーが風で飛びそうになる。
俺が夜に彼をどう想うか、知ったら裕太はどう思うだろう。
絶対に知らせまいと自分の心の中で思って、俺はちょっとしんみりした気配を飛ばすために笑った。