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貧乏くじだと思ったら大当たり

「あ、お前文化祭実行委員に決まったから」
三日寝込んだ風邪もなんとかおさまり久し振りに登校した教室で、大丈夫か?の一言もなく真っ先に掛けられた第一声はそれだった。
「ちょ、何勝手に決めてんだよ!やだよ!」
「他に立候補が居なかったんだよ。残念だったな」
「マジかよ…めんどくせえ」
ここが共学なら、女子と仲良くなるチャンスだと思えるだろう。
だが悲しいかなここは男子校。野郎と仲良くなったって嬉しくもない。
「…んで?もう一人は誰だよ」
「佐伯」
「は?」
「だから、佐伯。ちなみにお前推薦したのも佐伯」
「なんで佐伯が俺を推薦してんだよ」
「俺が知るかよ。まあ精々真面目な眼鏡君に怒られないように気をつけろよ」
「え、マジで?俺佐伯苦手なんだけ…」
「僕が何か?」
「うぉっひゃああああああ?!」
機械みたいに抑揚の少ない声が耳元で響く。
思わず目の前の友人にしがみ付くが、思いっきり跳ねのけられてしまった。なんだよ俺は病みあがりだぞ。
「さ、佐伯…」
無様に床にしゃがみ込んだ俺を見下ろし、描いたみたいに整った佐伯の眉が歪む。
「君が嫌がろうがどうしようが、決まった事は決まった事だ。今日の昼休みは話し合いをするので第三会議室に行く」
「…なんで俺なんだよ。俺は去年も委員やったんだぞ」
「知っている。だからこそお前を推薦した」
「はああ?」
「去年お前のクラスの出し物を見たが、制作スケジュールはグダグダで予算オーバー、当日もつまらないミスや予定外の事態に全く対応できていなかった」
「だから、俺はもう面倒な事はやりたく…」
「でも、お前が提案して計画した企画自体は面白いものだった」
「あ?」
「僕ならお前のアイデアを完璧に成功させる自信がある。去年、お前のクラスを見てそう思った」
自信満々で高慢な笑み。
こいつのこういう所が苦手なんだ。
「だから、お前と同じクラスになれて嬉しかった。いいな、お前は俺と同じ文化祭実行委員だ」
苦手なんだけど、な。
「解ったよ。でも、そこまで言うならミスったら殺すぞ」
「当然だ。お前こそつまらないアイデアを出すならヤり殺すぞ」
「当たりま…え?」
「ああ予鈴が鳴ったな、席に戻れ」
「ちょととまて今変な…」
「じゃあ後でな」
「ちょっとまて佐伯」

結果としては何だかんだと問題は起きたものの、俺のクラスの企画は大盛況。
俺にも何故か恋人が出来てしまい、最終的にこの人事は大当たりだったと思う。