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半人半獣

我輩はケンタウロスである。名前は佐藤。
都立高校に通うごく普通の男子高校生だ。

太古の昔は神と呼ばれ信仰や畏怖の対象であったが
現代日本においては「絡みづらい」と見て見ぬフリをされる。そんな存在だ。

そんな我輩にも心を許した友がいる。同級生の鈴木君。
我輩は毎朝、朝寝坊の鈴木君を家まで迎えに行き、背中に乗せて登校する。
「佐藤君、おまたせー」
「鈴木君、急がないと遅刻だよ」
「ごめん昨日遅くまでゲームしてて、あ、今度一緒にやろうよ」
「うん、とにかく急ごう」

遅刻ギリギリでものんびりとしてる彼を乗せて走り始める。
数分もしない内に背中に彼の体温と寝息を感じながら、
我輩は彼との出会いを思い出していた。
入学式から数日、クラスメイトが目を合わそうとしない中、我輩に話しかけてきたのは彼一人だった。

「佐藤君チンコ丸出しだよ?」
「うん、まあ俺ケンタウロスだし」
「やっぱり馬並みなんだねーご立派だー」
「あんまりジロジロ見ないでよ……」
「ごめんごめん」
「やっぱりパンツ履いたほうがいいかなぁ」
「それはそれで変だろうw」
「でもやっぱり恥ずかしいし」

「ね、ケンタウロスってどうやってオナニーすんの?」
「えーと床オナ」
「うわすげえw今度見せてよw」
「嫌だよw」

……実に下らない出会いだ。
だが我輩にとっては生まれて初めて体験した友人との会話だった。

想い出に浸っている間に学校に着いた。
授業開始のチャイムはとっくに鳴り終えている。
完全な遅刻だ。
我輩の力をもってすれば数十秒で着く距離のはずなのに。

遅刻したのは寝ている彼を振り落とさないように走ったからか、
それとも彼の体温が心地よかったからなのか……。

こうして我輩は毎朝のように途方に暮れる。
チンコ丸出しで。