夏休みの宿題が終わらない

どうしてこんな事になったんだっけ
テーブルの上にはほぼ手付かずの課題
毎年早めにやっとけばよかったって思うんだけど
いつもギリギリなっちゃうんだよな
「こころ」の感想文、数学のプリント、日本史のレポート、あとなんだっけ?
セミの声がうっとおしい
クーラーで冷えた畳の表、うつぶせるとわずかにイグサの匂いがする

そうだ今年の猛暑がいけない
暑くてだるくてやる気しないのに
追い討ちのようにクーラーがぶっ壊れた
「しばらくこの暑さを楽しもう」とか気が気が狂ってんのかうちの親は
熱中症で死んだらどうする気だ
「じゃあうち来る?」ってこいつが言ったんだよな

熱い息が背中にかかる、
クーラーは24度、ぬるついた汗を乾かして体の表面は冷えてきたのに
触れ合った部分は生あったかい
体の内部は熱いのに、なんだか鳥肌が止まらない

どうしてこんな事になったんだっけ?
考えがちっともまとまらない
猛暑が悪い、親が悪い、宿題いっぱい出すからいけない、
セミの声が、不意に落ちた沈黙が、こいつの目が、指が、

「あつい」つぶやくと
観測史上最高らしいよ、と返される
ああ宿題終わらない 
もう何も考えられない


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最終更新:2010年10月19日 17:40