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ほのぼの忍者

「拙者、影に生きるもの故、歓待は無用でござるよニンニン!」
「その色々混ざってる日本語を誰から教わったのかきりきり吐け……!」
独学でござると言い切った目の前の男に泣きたくなった。
大体二メートル近い金髪碧眼が影で生きていけるほど日本はまだ無法地帯じゃない。
ネットでは堅苦しい日本語を一生懸命駆使していたはずだ。日本語の響きは綺麗で好きですと、だから間違った
使い方はしたくないと、将来のことなんて何も考えていなかったアホ高校生だったオレを言語学の道へ導いたの
はいったい誰だ。お前だ。
「実は拙者、ずっと忍に憧れていたのでござるニンニン」
すいまセーン…ボクウソついてまーしたとか言い出しそうなオレの恩人は空港で出会った瞬間にもうどうしてや
ろうかと思うくらい腹立つ言動を繰り返してばかりだ。何せ開口一番「拙者」だ。誰だお前。オレの初恋の相手だ。
「ほっぺにぐるぐるは、アレは何の忍術なのかずっと聞きたかったんでござる!」
「ファッションだ!!」
やけくそ気味で怒鳴った言葉を真に受けて奴はオーと簡単の声を上げる。ちくしょうそういうとこだけガイジンだ!
「すーばらしーネ! さすが刹那を生きるものネー! おとこのビガークー!」
「なんかキャラ変わってきたな……」
ひとしきり騒いで、奴は唐突にぴしりと背筋を伸ばした。にこりと笑った顔は今日までオレが想像していたよりもずっと
男前だ。悔しいことに。
「お会いしたかったでござる、わが主殿」
「……」
「お守りすると決めていたござるよ。わが身命を賭しても」
ニンニン、がその語尾につかなきゃ「オレも会いたかった」って言えたのに!