24時間

あいつはデート、俺は家。
執行猶予は24時間、そう決めた。

俺は男だし、あいつも男だったから、もともと叶う恋なんかじゃないってわかってた。
あいつは俺のことを友人だと思っていたし、俺もそう思われるように振舞っていたから。
気付かれないのも当たり前で、優しいあいつに初めての彼女ができるのも当たり前。
好き合う男女が2人で休日に出かけるのも当たり前。
たとえ今日が俺の誕生日でも、彼女を優先するのは当たり前なんだ。
俺は男で、友達だから。

もういいじゃないかと俺の中の誰かが言った。
もういいじゃないか、お前は頑張ったよ。不毛な片想いを、もう3年目。
それでも相手は気がつかない。そろそろ潮時じゃないか?
わかってる。多分一生気付いてもらえない。一生友達、それで終わり。
でもこの気持ちに気付かれたら友達ですらいられない。

友達になって3年目。今年で卒業、それからは別々の人生。
最後の賭けを、することにした。
日付が変わるまでの24時間、それまでに連絡が無かったら諦めよう。
でも、もし初デートの高揚の中でも連絡をくれるようだったら俺の2年は無駄じゃない。

執行猶予は24時間。
生かすも殺すもあいつ次第。


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最終更新:2010年07月21日 23:47