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甥っ子と、おじさんと、おじさんの後輩と ---- 今の10代の男の子ってのは何が欲しいんだろうな」 仕事も終わり駅へとむかう途中、隣を歩く先輩に聞かれた。 急に何を聞いてくるのかと驚いたが、すぐにピンときた。 「甥ごさんにですか?」 「ああ。この歳になるとさっぱり分からなくて困ってる」 先輩が、甥ごさんと一緒に暮らしてから半年が経つ。 先輩の兄である父親と二人暮らしだったそうだが、 そのお兄さんが急に海外へ行くことになり、甥ごさんは先輩と同居することになった。 慌てて部屋の片付けや掃除をする先輩を手伝ったので、俺も良く憶えている。 「俺も先輩と3歳しか違わないので、あまり分かりませんが。  好きなもの買いなさいって、お小遣いをあげるのはどうですか?」 「何度か渡そうとしたんだ。けれど『お父さんからお小遣い貰っているからいいです』って どうしても受け取ってくれなくてな……」 「それは随分しっかりしてますね……、じゃあ何か買って渡さないと駄目か」 その時のことを思い出したのか、先輩は何となくしょんぼりとしている。 彼が来てから、先輩は前ほど飲みにも付き合ってくれない。 いそいそと自宅へ帰るので、俺や周りの人達はまるで子供が出来たみたいだと言っている。 じつのところ、俺は新婚みたいだよなーと思っている。 男親と二人暮らしだったせいなのか、甥ごさんは歳に似合わぬ家事の達人だった。 ここ半年、先輩のシャツは下手なクリーニング屋より美しくアイロンがけされ、靴はいつも磨き立てのように光っている。 先輩も社会人として身だしなみを整えていたが、手の掛け具合が違う。 週に何度か、お手製の美味しそうな弁当も持ってくるようになった。一口もらったら実際美味しかった。 弁当にはそのうち、先輩の好きな食材やおかずが必ず入るようになった。 弁当や身なりについて先輩に言うと、照れ笑いしつつ嬉しそうに喋る。帰宅する時は、連絡を入れている。 先輩は、もう彼をとても可愛いく思っていて、あれこれ気にかけているのだろう。 片づけを手伝ったお礼にと鍋に呼ばれた時に会ったが、 大人しくて素直そうで、先輩や俺に気を使ってあれこれ立ち働いていた。 かわいくて良い子だと思ったし、先輩と上手くやれているのは何よりだ。 けれど、少しつまらないし寂しい。 「先輩、今度の休み予定ありますか? 甥ごさんに買ってあげるもの二人で探しに行きましょうよ。」 ----   [[腰まである長髪>18-939]] ----

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