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探偵(職業探偵でなくても可)と、助手(職業助手でなくても可) 殺人事件現場にて ---- 「だからどうして君はそうわからずやなんだ!」 「君のために言っているんだ」 「そりゃどうも。君からすれば、僕なんて頭ののろい古臭い人間だろうよ!」 「そんなこと言ってないだろう」 「言ってるじゃないか!」  自分と比べて冷静な彼の取り澄ました顔が、こういうときは憎らしい。 「君が素晴らしい頭脳の持ち主だってことは認めるよ。でも僕だって子どもじゃ…」 「シッ」  彼が唇の間から素早く音を発した。  人差し指を唇に当てたポーズに、僕は口をつぐむ。  彼が足下の地面に視線を落としている。  獲物を見つけたアフガンハウンドのように目を輝かせ、きゅっと口を引き結ぶ。  いつもは、蝋人形のほうが血色がいいくらいなのに、こうなった彼の頬は赤みを帯び、生命力に満ちている。  彼がなにかを見つけたのだ。  僕のような凡人には分からない、微細な証拠を。  こうなった彼は何を話しかけても聞く耳を持たない。 「…これは……だから…」  地面に膝をつき、調べ始める彼から、僕は2歩ほど後退る。  うかつに歩き回って、彼の求める証拠を台無しにしたくない。  そして僕は、数十歩の先に転がっている死体に目を向けた。  冷たい石畳の上に横たわり、虚空を見つめる青い瞳に痛ましさを覚え、そっと目を伏せた。  僕にできるのは、彼女を殺したのが誰か、突き止める彼の手助けをすることだけ。 「……くん、……君」  呼びかけられてハッとした。 「もう来ていい。被害者を見てくれ」  そうだ、僕にできる仕事がある。 「わかった」  頷いて、僕は彼女のそばに歩み寄った。 ----   [[探偵(職業探偵でなくても可)と、助手(職業助手でなくても可)殺人事件現場にて>18-909-1]] ----

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