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ツインを取ったはずが手違いでダブルに ---- 「誠に申し訳ございません。ですが、本日は満室でして、他にお部屋は・・・」 平身低頭して謝るホテルマンの前には対照的な男が二人。 一人は顔を輝かせ、もう一人、俺は顔を青くしていた。 「絶対俺はソファで寝るからな!」 「せっかく広いんだから一緒に寝ようよ」 部屋に入ってからもう十分は経つというのに俺達は言い争いを続けていた。 「夜は寒いよ?ソファなんかで寝たら風邪引くって」 「うるさい!お前と一緒のベッドに寝るくらいなら風邪引いたほうがましだ!」 「明日の仕事に差し支えるよ」 「なら、気合で健康を保ってみせる!」 「・・・・・・そんなに、俺と一緒は嫌なの?」 「当たり前だ!」 口論のせいで上がった体温を自覚しながら、大声で答える。 相手が少し傷ついた顔をしたのは見なかったことにする。なんだか俺が意地悪を言ってるみたいで、こっちの方が傷つく。 これ以上あいつの顔が見れなくて、決まり決まり!と話を切り上げて俺はバスルームに逃げた。 夜中にふと目が覚めた。 言い合いの通りソファで寝た俺は、時刻を確かめようと体を起こし、横を向いた。 「うぉっ・・・!!」 驚きの余り、間抜けな声が出てしまう。 何故って、ベッドで寝た筈のあいつがソファに寄りかかって寝ていたからだ。しかも横向きに俺が寝ていたとしたら、髪が顔に触れるほどの距離で。 (いつのまに・・・) 決して小さくはない体は、ベッドから引きずってきたであろう毛布では包みきれなくて足が出ている。 (これじゃ、お前が風邪引くっつの) 寝るには無理な姿勢にわずかに眉をしかめる顔に、思わず笑ってしまった。 時刻は真夜中、3時。 まだ朝までは時間があるし、起こしてベッドに向かわせるのも可哀想なので。 優しい俺は、ソファから降りて奴の隣で寝てやることにした。 しっかりした肩に顔を預けて、少し出た足先に俺の毛布をかけてやる。 ま、二人で寝りゃ、あったかいし風邪も引かないだろう。 ----   [[ツインを取ったはずが手違いでダブルに>4-659-1]] ----

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