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「ったく……何で俺まで来なきゃ無いんだよ」 ぶつぶつと文句を言うと、背中のシャツがぐいと引っ張られた。 俺のシャツにしっかりと掴まっている幼馴染が、上目遣いで俺を見上げる。 「ご、ごめんてば。だって、怖いし……」 プルプルと震えながら体を縮こまらせるその姿は、まるでハムスターのようで、 俺はうっかり可愛いななどと考えた。 あわててその考えを振り払い、俺はあきれたようにため息をついて見せる。 「夜の学校が怖いとかって。お前何歳だよ。本当に俺と同じ歳? 本当に男か?」 「うう~~……」 「一人で取りに来るのが怖いなら、プリント忘れたりするなよ」 「だって、明日が提出だって忘れてたんだもん……」 「せめて暗くなる前に思い出せ」 更に大きくため息をつくと、相手はすっかりしゅんとして俯いてしまった。 そのまま会話が止まってしまって、少し言い過ぎたかな、と俺は僅かに後悔する。 何か声を掛けようと、口を開いた瞬間、足音だけが響いていた夜の学校に、水滴が滴る音が響いた。 「っぎゃーーーーーー!!」 「おわ!? ちょっコラ、しがみつくな!!」 「だってだってだって!!」 「蛇口から水が垂れただけだろ!! 落ち着け!!」 力いっぱい飛びついてきたその体を何とか受け止め、震える背中を落ち着かせるように撫でてやる。 「大丈夫だから……俺がついててやるから」 「ほんと?」 ようやく顔を上げたその瞳にはうっすらと涙が溜まっていて、その表情にどきりと俺の心臓が跳ねた。 ああもう、昔っから、俺はコイツには弱いんだ。 「ああ。何があっても、いつでも俺はお前の傍に居るから」 「……うん。なら、何があっても大丈夫だよなっ」 あっという間に笑顔になったその顔を見て、俺は苦笑するしかできなかった。
小動物系ヘタレ受け ---- 「ったく……何で俺まで来なきゃ無いんだよ」 ぶつぶつと文句を言うと、背中のシャツがぐいと引っ張られた。 俺のシャツにしっかりと掴まっている幼馴染が、上目遣いで俺を見上げる。 「ご、ごめんてば。だって、怖いし……」 プルプルと震えながら体を縮こまらせるその姿は、まるでハムスターのようで、 俺はうっかり可愛いななどと考えた。 あわててその考えを振り払い、俺はあきれたようにため息をついて見せる。 「夜の学校が怖いとかって。お前何歳だよ。本当に俺と同じ歳? 本当に男か?」 「うう~~……」 「一人で取りに来るのが怖いなら、プリント忘れたりするなよ」 「だって、明日が提出だって忘れてたんだもん……」 「せめて暗くなる前に思い出せ」 更に大きくため息をつくと、相手はすっかりしゅんとして俯いてしまった。 そのまま会話が止まってしまって、少し言い過ぎたかな、と俺は僅かに後悔する。 何か声を掛けようと、口を開いた瞬間、足音だけが響いていた夜の学校に、水滴が滴る音が響いた。 「っぎゃーーーーーー!!」 「おわ!? ちょっコラ、しがみつくな!!」 「だってだってだって!!」 「蛇口から水が垂れただけだろ!! 落ち着け!!」 力いっぱい飛びついてきたその体を何とか受け止め、震える背中を落ち着かせるように撫でてやる。 「大丈夫だから……俺がついててやるから」 「ほんと?」 ようやく顔を上げたその瞳にはうっすらと涙が溜まっていて、その表情にどきりと俺の心臓が跳ねた。 ああもう、昔っから、俺はコイツには弱いんだ。 「ああ。何があっても、いつでも俺はお前の傍に居るから」 「……うん。なら、何があっても大丈夫だよなっ」 あっという間に笑顔になったその顔を見て、俺は苦笑するしかできなかった。

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