「18-799」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

18-799」(2010/05/24 (月) 22:29:54) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

頭痛持ち ---- 「……」 「ダイジョブですか、先輩?」 先輩はいわゆる偏頭痛持ちらしい。僕にはよく分からなかったけど、『ふと気がついてみると何だか頭が痛い』。 曰く、そういうものらしい。 今日も今日とて、実に十分もデスクと睨めっこ。しきりに眉根を寄せては白髪頭をわしわしと掻き乱す姿は、とても辛そうだ。 「そろそろお昼終わっちゃいますよ。薬、飲みません?」 「……ん」 苦々しげに小さな返事をして、先輩は鞄から薬を取り出した。市販のものではなく、お医者さんに貰ってきた薬だ。 僕にはよく分からないけど、『優しさが半分』っていうアレは効き目が薄いらしい。 その丸い錠剤が、コーヒーでごくりと飲み下された。ちょっぴり剃り残した髭と一緒に喉仏が動く。 「何で急に頭が痛くなっちゃうんでしょうねぇ……」 「……さぁな……医学的にも、よく分かってないらしいぞ……」 気圧のせいだとか、遺伝だとか、色々説はあるらしいんだけどな。あと、何故か女の人に多いとか。 先輩はうなだれながら、そういったことをぽつぽつと語った。 僕はその話を聞きながら、やっと一つだけ分かったことがあった。 「なるほど。先輩が偏頭痛持ちな理由、もしかしたら分かったかも」 「……あん……?」 「先輩、女性的ですもんね。ほら、ふと垣間見えるちょっとしたところが」 「い、いつ俺が女性的だったよ……」 四十路のおっさんを捕まえて、こいつは何を。そんな目で見てきたから説明を付け加える。 「ほら、お酒が駄目で甘いもの好きだとか」 「……」 「手料理が得意で、こうして毎日お弁当作ってくれるとことか」 「……」 「あとは僕の下で毎日あんなにかわいく」 「あー! 治った! おさまった! よし仕事に戻ろう!」 先輩は慌てて椅子から立ち上がって、部屋の外に出ていってしまった。 先輩、貴方のデスクはここです。どこで仕事するんですか。 先輩、片手がまだ頭に添えられてます。頭痛、治ってないんでしょう。 先輩、ほっぺがうっすら赤いですよ。照れ隠しも女性的ですね。 「やっぱかわいいなぁ……」 ----   [[「馬鹿だなぁ(頭なでなで)」>18-809]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: