「18-769」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

18-769」(2010/05/24 (月) 22:25:20) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

言いなりわんこ×女王様 ----  これが今回の報酬、との言葉と共にテーブルに置かれた布袋は重たい音をたてた。 「いつもありがとうございます」  袋の中身を確認し、懐に納める。  一連の動作を眺めていた青年は、ほう、と優雅に溜め息をついてグラスに口をつけた。 「それで」  今彼が飲むトカイワインのように甘ったるい声に呼ばれ、男は身を固くした。 「…もう、必要ないんじゃありませんか?」 「だめだ」  即座に返される否定に身をすくめる。 「だってあなた…もう充分に楽しまれたでしょう…それに私だって…」 「君だって?」  射すくめるような視線に言葉がつまる。 「…あんまり危ない橋は渡りたくありませんし」  からからと彼が声をあげる。 「君とても楽しんでいたではないか。ずいぶんといい思いをしたのだろう?」  ぐ、と言い淀むのを、楽しげに見遣ってグラスを煽った。 「ですが…これ以上は…相手が大きすぎます」 「ふふ…」  妖しげに微笑み、目を細める。  早くここから逃げ出したいのに、頭の一部が痺れたように麻痺している。 「では、こちらは?」  高価な靴を行儀悪く足先で脱ぎ捨て、白いストッキングにくるまれた足を差し出す。  ゆったりと足を組みながら、見せつけられるその白さにくらくらする。  形のよいふくらはぎに何度口づけただろうか。  足の甲にキスした感覚も、綺麗に手入れされた足先の形も、嫌というほどよく知っている。 「…ご冗談を」 「私が冗談を口にしたことがあったか?」 「…いいえ」  どれほど驚愕させられる内容でも、彼の言葉は常に事実だ。  しかし真実ではない。 「…お望みは、私じゃないんでしょう?」 「今は君さ」  伸びた足先が男の足の間を撫であげる。 「今は…ですか」 「不満かね」 「……いいえ」  王者のように君臨する彼の前に膝をつく。 「あなたの、お望みのままに」  くす、と満足そうに彼が笑った。 ----   [[不良少年と読書する優等生>18-779]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: