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言いなりわんこ×女王様
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これが今回の報酬、との言葉と共にテーブルに置かれた布袋は重たい音をたてた。
「いつもありがとうございます」
袋の中身を確認し、懐に納める。
一連の動作を眺めていた青年は、ほう、と優雅に溜め息をついてグラスに口をつけた。
「それで」
今彼が飲むトカイワインのように甘ったるい声に呼ばれ、男は身を固くした。
「…もう、必要ないんじゃありませんか?」
「だめだ」
即座に返される否定に身をすくめる。
「だってあなた…もう充分に楽しまれたでしょう…それに私だって…」
「君だって?」
射すくめるような視線に言葉がつまる。
「…あんまり危ない橋は渡りたくありませんし」
からからと彼が声をあげる。
「君とても楽しんでいたではないか。ずいぶんといい思いをしたのだろう?」
ぐ、と言い淀むのを、楽しげに見遣ってグラスを煽った。
「ですが…これ以上は…相手が大きすぎます」
「ふふ…」
妖しげに微笑み、目を細める。
早くここから逃げ出したいのに、頭の一部が痺れたように麻痺している。
「では、こちらは?」
高価な靴を行儀悪く足先で脱ぎ捨て、白いストッキングにくるまれた足を差し出す。
ゆったりと足を組みながら、見せつけられるその白さにくらくらする。
形のよいふくらはぎに何度口づけただろうか。
足の甲にキスした感覚も、綺麗に手入れされた足先の形も、嫌というほどよく知っている。
「…ご冗談を」
「私が冗談を口にしたことがあったか?」
「…いいえ」
どれほど驚愕させられる内容でも、彼の言葉は常に事実だ。
しかし真実ではない。
「…お望みは、私じゃないんでしょう?」
「今は君さ」
伸びた足先が男の足の間を撫であげる。
「今は…ですか」
「不満かね」
「……いいえ」
王者のように君臨する彼の前に膝をつく。
「あなたの、お望みのままに」
くす、と満足そうに彼が笑った。
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[[不良少年と読書する優等生>18-779]]
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