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もう着ない制服。 ---- 僕はまだ真新しい、ぴかぴかの制服を時々眺める。 一度も袖を通されていない、この制服の持ち主は僕じゃない。僕の親友の物だ。 いつもへらへらしてたあいつが、入学式の前日やっぱりへらへらしながらうちに来て、 「俺は第2ボタンなんてケチ臭いことは言わない! つうわけだから  まるごとくれてやる! 受け取れ、この俺の素晴らしい愛!」 なんて叫びながら制服押し付けて、バカかお前、入学式どうすんだよって言おうと 口を開く前に「んじゃ、大切にしろよーそれ俺の愛の結晶だから!」なんて 気持ち悪いこと言ってあっというまに消えてしまった。 翌日、入学式にあいつの姿はなく、あいつが住んでいたアパートも空家になっていた。 あれから3年が過ぎ、僕は大学生になって一人暮らしを始めた。 クローゼットには、真新しい制服が吊り下げられている。 ----   [[皇帝ペンギン>4-419]] ----
もう着ない制服。 ---- 僕はまだ真新しい、ぴかぴかの制服を時々眺める。 一度も袖を通されていない、この制服の持ち主は僕じゃない。僕の親友の物だ。 いつもへらへらしてたあいつが、入学式の前日やっぱりへらへらしながらうちに来て、 「俺は第2ボタンなんてケチ臭いことは言わない! つうわけだから  まるごとくれてやる! 受け取れ、この俺の素晴らしい愛!」 なんて叫びながら制服押し付けて、バカかお前、入学式どうすんだよって言おうと 口を開く前に「んじゃ、大切にしろよーそれ俺の愛の結晶だから!」なんて 気持ち悪いこと言ってあっというまに消えてしまった。 翌日、入学式にあいつの姿はなく、あいつが住んでいたアパートも空家になっていた。 あれから3年が過ぎ、僕は大学生になって一人暮らしを始めた。 クローゼットには、真新しい制服が吊り下げられている。 ----   [[もう着ない制服。>4-409-1]] ----

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