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高校生にしかみえないけど実は中学生×どうみても中学生だけど本当は高校生 ---- 先輩と初めて会ったのは夏祭りだった。金魚掬いが上手な奴がいるなって興味を持って、のぞき込むと、ちょっと可愛い顔立ちで、しゃがみ込んだ浴衣の裾から白くて華奢な足がのぞいてた。 なんか一目惚れって感じで、側に行って一緒にしゃがみ込んで話し掛け、すぐに親しくなって帰り道、神社の裏手の木陰の暗闇で無理矢理キスしてた。あんまり抵抗もなかったから、そのまま押し倒して、それから何度か関係を持ってから、初めて気が付いた。 相手は高校生だったって。向こうも、背の高い俺のことを同じ高校生だと思ってたみたいで、ちょっとショック受けてたみたい。押し倒された相手が中学生だったなんて。 しかも、最初に「何年?」って聞いたら、ただ「2年。」って、それ以上、学校の話しは出なかったから後輩だと思ってたぐらいで。 でも、ホント華奢で可愛くて、背も低いし、声も高い方だから中学生にしか見えなかったんだ。反対に俺は、生意気だし、背は高いし、声もバリトンで、いつも高校生に間違われてたから、相手がそう思ったのも無理はないんだけど。 最初に名前で呼び合ってたから、急に先輩って言うのもなかなか慣れない。別に名前で呼び掛けても、先輩も全然気にしない様子で、自然に応えるからついそのままになってしまっていた。 確かに物識りだし、尊敬もしてるんだけど、あんまり先輩って感じがしないのは、先輩があまりに可愛いせいなのか、年より上に扱われる事に慣れてる俺の図々しい性格のせいか分からない。 でも、大好きだし、もっとずっと一緒にいたいから、先輩と同じ高校に入学したくて俺は俄かに勉強に励んだ。成績は然程悪くはなかったから、何とかなると思っていたのが甘かった。 恋愛に現をぬかしていた俺が、急に勉強したからって受かるレベルの高校ではなかったんだ。 合格発表の掲示の前で俺は、そっと隣に寄り添った先輩にも、暫く気が着かないほどショックで呆然としていた。 「…間に合わない…。」 呟くと、 「大丈夫。6月にまた編入試験があるから。今度は僕が教えるから絶対合格する。」 先輩の指先が、軽く俺の手に触れた。 「待っててやる事は出来ないけど、ちょっと遅くなるだけだよ。」先輩が、そう言うと安堵感と共に、愛情やらさまざまな感情が一度に混み挙げてどうにも ならなくなって、俺は初めて、小さな先輩の体にすがって泣いた。 あーあ、泣いちゃって。バッカだな。いつも見栄張って背伸びしてるから。もっと素直になっていいんだよ。 正直、お前が中学生だと分かった時は、なんて生意気なガキだって思ったけど、初めて会った時から感じてた、アンバランスな違和感が解消されて、それからはずっとお前が可愛いくて仕方なかったんだよ。よけいに好きになったって言うのかな。 そんな外見だから、いつも周りはお前を大人扱いして、お前もそれに応えようとどうしても無理して背伸びしなきゃならなかったんだよね。そんな危なっかしさが愛しくて。 初めての時、お前は僕に 「駄目だ。可愛い過ぎる。」 って、そう言ってキスしたね。あの時は僕もお前の持つ独特の雰囲気に呑まれてしまったけど、お前の方こそ可愛い過ぎるんだって後で気付いたよ。 ほら、もうシャンと立って。大きな男が僕みたいな小さな奴にしがみついてたらおかしいよ。ゴメン。周りからはどうしてもそう見えるんだから仕方ないのは分かってるだろ? さあ、お前の家に帰ろう。僕も一緒に行くから。僕にだけはいくらでも甘えていいんだからね。 でも、今日だけだよ。お前の家に行くのは。あの家は、ほとんどいつも人がいないから、お前の好き放題で、二人で居たら勉強は二の次になっちゃっいそうだからね。 明日からは僕の家で、試験勉強だよ。僕の姉は大きな後輩を連れて来たって、からかうかもしれないけど、勉強には最適だよ。 もうホントに、僕も3年になるんだし、これ以上は待てないからね。ちゃんと、追い掛けて来てくれないと駄目だよ。 ----   [[216 ごめん、どうしても萌えたんだ>4-299]] ----

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