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刀と鞘の関係
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「行くな!」
と、お前を止めたのは、あれは、何時の時代だったろうか。
「仕方ないんだ。」
お前は泣きながら出掛けて行って、その美しい刃をボロボロにして血濡れて帰って来たね。
あの時、お前は私の中で泣いたんだっけ。
若く美しい剣士だったそうだね。
知ってたよ。
あれは、お前の憧れていた相手。刃先を交し合う度に、お前はあの若い剣士にますます惚れて、煌めきー。
彼の肉を絶つのは、さぞかし辛かったろう。
そして、あれは何時の時代だったろう。
もう人間に惚れるのはよせって言ったのに、今度は、仲間の隊士だから大丈夫って。
そう思って安心してたのに…。
あの時こそは、お前も、もう立ち直れないかと思うほどだった。
こうして古美術商の奥に眠るようになってからは、
今はもう、みんな遠い時代の事だけど。
「そうですね。みんな遠い過去になってしまいました。」
刀が答えた。
「でも、私も本当は分かっていたんですよ。どんな事があっても、私の帰るところは貴方の腕の中でしかないって。今まで随分、貴方を苦しめ、心配させてしまいましたねえ。」
「ねえ、本当に。」
「本当に、今思うと、なんて長い時が必要だったんでしょうねえ。私には貴方しかいなかったんだって気付くまで。」
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