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50代×30代 ---- 「70年安保の頃?馬鹿な。私はノン・ポリだったんだよ。都市革命論なんてあり得ないってのが持論だったからね。」 彼の話を聞くのが好きだ。 それは越えられない20年の時の壁を感じさせるけれども、僕の知らない彼の、まだ若く生き生きとしていた時代の光を、感じさせてくれるから。 「でも、結構大学では有名だったって噂に聞きましたよ。」 「ああ、あれは他の大学の奴らが、うちの大学に乗り込んで来てね。革丸だか中核だか、知らないが、私の尊敬していた教授を取り囲んで吊し上げようとしたんだ。だから頭に血が昇って、怒鳴って、暴れて蹴散らかしてしまってね。それで一躍大学では有名人さ。武闘派の右翼だって、勘違いされたよ。」 「その教授が好きだったんですか?」 「いや、尊敬してた。それだけだよ。」 ちょっと嫉妬に駆られた僕の気持ちを、彼は何時も敏感に察知して僕の頭を撫でてくれる。 「好きだった人はいない訳じゃないけれど。それは今の私達には関係ないことだろ?」 優しく笑い掛けられて、僕は彼の胸に顔を埋める。 彼の話をもっと、もっと聞いていたい。 それは、どうしても僕の手の届かない若い頃の彼で、その時代そのものにさえも、僕は嫉妬せずにはいられないのだけれど。 ----   [[弁護士×検事>4-079]] ----

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