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「俺はさ、幸せものだったよ。お前といられて」 ちゃんと言葉になっていたか? 泣いてばかりのお前の耳に、俺の言葉は届いていたか? それが聞きたいのに、もう言葉を発する力はなくて。 余命一月と宣告されてから、仕事をやめてお前の家に棲みついてやった。 最初は迷惑がってたお前も、家に帰れば「おかえり」「ただいま」と言える 初めての経験に、少しだけ嬉しそうだった。 夜はただ、お前の心臓に耳を当てて眠るだけで満足だった。 『今日はまだ生きている』それだけで、深く幸せな夢を見られたよ。 お前に飯を作って 二人で笑って食べて 他愛もない会話で盛り上がって 先に寝たお前にそっと毛布を掛けて なぁ、そんな毎日が、俺にはたまらなく幸せだったんだ。 だから泣くな。 それが一年でも一日でも遅いことを願っているけれど、 いつかお前にもタイムリミットが来るだろう。 その時は必ず、俺がむかえに来てやるから。楽しみにしとけ。
タイムリミット ---- 「俺はさ、幸せものだったよ。お前といられて」 ちゃんと言葉になっていたか? 泣いてばかりのお前の耳に、俺の言葉は届いていたか? それが聞きたいのに、もう言葉を発する力はなくて。 余命一月と宣告されてから、仕事をやめてお前の家に棲みついてやった。 最初は迷惑がってたお前も、家に帰れば「おかえり」「ただいま」と言える 初めての経験に、少しだけ嬉しそうだった。 夜はただ、お前の心臓に耳を当てて眠るだけで満足だった。 『今日はまだ生きている』それだけで、深く幸せな夢を見られたよ。 お前に飯を作って 二人で笑って食べて 他愛もない会話で盛り上がって 先に寝たお前にそっと毛布を掛けて なぁ、そんな毎日が、俺にはたまらなく幸せだったんだ。 だから泣くな。 それが一年でも一日でも遅いことを願っているけれど、 いつかお前にもタイムリミットが来るだろう。 その時は必ず、俺がむかえに来てやるから。楽しみにしとけ。

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