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元カノの元彼 ---- 母さん、事件です。 僕、22歳にして、初めて告白されました。 「好きなんですよ君のことが」 なんて、頬を染めて言うのは、俺の上司です。 この慣れない生命保険の仕事を、手取り足取り教えてくれた、 2歳年上にも関わらず、ダンディな上司、高倉課長です。 確かに最近、二人で呑みに行くことは多いし、同期のやつらと 比べても、何か上司と距離が近いな、とは思っていたんです。 でもそれは、俺の意思でやっているんだと思っていました。 俺の大好きなタカコちゃん。俺が高校の時に1年つきあって、 他に好きな人ができた、とふられたタカコちゃん。 俺が唯一、誰かを好きになれて、告白してつきあえた人です。 あの時のタカコちゃんが、俺をにふった理由である、「他に好きな人」 が、この上司の高倉課長なんです。 なんたる偶然でしょう。高校時代の先輩が、俺の上司なんです。 高校時代から、頭が良かった高倉先輩は、課長となって、俺の 目の前に現れたんです。 あの後、高倉課長に告白して、1ヶ月だけ彼女になって、その後 ふられたタカコちゃん。そんなタカコちゃんに、再度告白しにいった俺。 そしてタカコちゃんの涙ながらの答え。 『…ふられても、好きなの。松前くんなら、分かってくれるよね』 分からないわけがありません。だって俺も、同じ状態ですもの。 「…驚くのは分かるけど、固まらないでくれないか」 まさかあれから5年以上経った今、こんなことになるなんて! タカコちゃん、お互い気づかなかったね! この人、ホモだよ!! ああ、あんなにかわいくて、タカコちゃんがふられた理由が知りたくて、 毎日毎日、仕事内外で高倉課長につきまとうんじゃありませんでした。 「…松前、お前さ…何か言ってくれよ」 固まったままの俺の手が、握られています。 その握られた手が。指が。何かくすぐったくて、顔の熱がどんどんあがって…。 『あの人に見つめられると、うっとりするの』 あの時のタカコちゃんの声が、頭にわんわんと響きます。 高倉課長の瞳を見ると、確かに体の力が奪われる気がします。 確かに恐るべき力でs。 『それで、抱きしめられたくなるの』 「お前、抵抗しないのは、オッケーだと勘違いするぞ」 おそるおそるといった感じで、高倉課長が、俺の後頭部に手をまわします。 高倉課長の右手は、俺の左手と絡みあい、左手が髪をすいて――― 何だかその近さと体温に、高倉課長に空気ごと抱きしめられたくなってきました。 恐い! これが高倉課長にメロメロになったタカコちゃんの気持ちでしょうか。 ふわりとその胸に抱きしめられたら――― 『…抱きしめられたら、心臓が止まりそうになって…。  それが好きだってことなんだと思う』 え、ちょっと待って? マジですか? タカコちゃん、俺、君を思うあまり、 君が好きだった男と、え、ちょっと 初めての男とのキスは、タバコの味で。 『好きなんだと思う』 思わず腰を抜かして床に座り込んだ俺に、高倉課長が驚いた顔をしています。 まだ入社して半年近くですが、こんなにまぬけな顔をしている課長の顔は、 初めて見ました。 「課長…」 「な、何だ? いや気持ち悪いなら、そう言ってくれても……」 「俺、課長…いや先輩のこと…好きみたいで……」 オロオロしながら俺がそう言うと、高倉課長の顔に汗がぶわっとふきだして、 次の瞬間、一気に真っ赤になりました。 それを見て、俺の顔も、一気に熱く熱くなりました。 『でもあの人、いつも冷静なの』 母さん。 俺、今、多分、タカコちゃんがが見たことない、この人の顔見ています。 ----   [[元カノの元彼>17-779-2]] ----

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