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深夜のテレビ観戦
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日付が変わっても我が家の電気、主にテレビは稼働中だ。原因はとあるスポーツを愛して止まない同居人である。
ただでさえ深夜の放送であるのに、延長戦にもつれこんだお陰で睡眠時間が着々と削られていっている。
だが先に寝ようものなら、不逞の輩としてしばしチクチクと言われるのだ。困った奴だ。
壁に引っ掛かった時計を横目で見てから、唸ったり捩じれたりしている同居人を見た。細かく暴れる手足は、今にもテレビ画面に飛び掛からんと準備運動をしている様だ。
振り回されるそれを避けるだけで一苦労だ。
「なんで○※○は毎度毎度、自分の仕事しないで××□で△▲な動きを」
何度聞いても覚えられない専門用語を並べたて、画面で動いているいずれかの人間を口汚なく罵る。
そんな乱暴な事言ってるけど、一番のお気に入りの癖に。
横から口を挟むと烈火のごとく怒るので、胸の内で小さく呟いてみる。心で思う事すら怯えがちになる程、このスポーツに関する同居人の言動は激しい。
テレビから、試合終了の合図とそれを追う歓声や悲鳴が上がると同時に、絶望による断末魔を間近で聞いた。思わず近所を気にしてしまう声量だ。
テーブルに突っ伏して動かなくなった死体未満を無言のまま見下ろしていると、枯れきった声で辞世の句(やはり文句)を読み上げた。のち、拳が弛緩した。
死んだ?
「あー…もー……疲れた」
くぐもったセリフでその生と、つつがなくスポーツスイッチがオフになった事を理解する。
もう話しかけても大丈夫。
「そりゃそうでしょうとも」
「燃え尽きた…真っ白にな。…明日、いやもう今日か。とにかくバイト忙しくならなきゃいいなぁ」
「そうだな。でも俺はお前の観察で既に忙しかったよ」
俺も大変疲れました。
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[[片言の日本語>17-919]]
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