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初恋の女の子 ---- 「なぁ、また告られたんだって?」 「なに聞こえねー」 昼時の食堂はうるさい。お前の声は低くて良く透るから、 すぐに何を言ってるのか分かったけど、そのまま聞こえなかったことにした。 「俺今日のおすすめ定食にするー。つか、お前ばっかもててつまんねえな。 ここにも男前がいるのに」 そうだよな、お前本当に男前だよな。 ただのクラスメイトがボコられてんの、一人で止めにきて 相手みんな倒しちゃうくらいかっこいいよな。 「とりあえず授業で涎たらすまで熟睡すんのやめればいよね」 「で、どうすんの?あの子いいにおいするよね。いただきます」 「どんだけ接近戦なんだよ。いただきます」 「偵察、偵察!んで、周りもしっかり見えてるよね」 お前もな、良く人みてるよな。おせっかいで、 あんまり他人が突っ込んでこないところにも入ってくるし。 俺人付き合い好きじゃないのに。 「さらに、あの子お前が初恋だとよ。 でも初恋は実らないって、ばぁちゃんがいってたからねぇ」 「まぁ…人によりけりじゃない? て、何人のおかず取ってるの?」 俺の初恋も実らなさそうだ。 「俺は、初恋は叶うと信じる派」 人が引けたテーブルはうるさ過ぎず静か過ぎず、お前は今度こそ話をそらすことを許さない。 「で、告白するの?」 低い声に首筋がむず痒い。 「どうしようかなって」 のど元まででかかった言葉を 苦手なしいたけと一緒に飲み込んだ。 ----   [[初恋の女の子>17-739-1]] ----

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