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どちらかしか選べない ---- 「ああああどうしよう! 俺選べないっ!」 アイスクリームのショウウインドウを前に、ユキオが頭を抱えてうんうん唸っていた。 ユキオは、二百円ちょいしか持ってない。俺はおごってやる気なんぞこれっぽっちもない。 だからコーンにアイスをダブルで盛るとか、ましてやトリプルにしてうはうはするなんてもってのほかだ。 ミントかチョコチップ。俺の隣で、彼はどっちにしようか決めかねている。かれこれ二十分。 店内に客は二人。そろそろ、店員さんの笑顔がある手前いづらくなってきた。接客ってなんて大変な仕事なんだ。 「河野ぉ、ねえどっちがいいかなあ。もうおまえ選んで!」 小動物みたいな目でユキオが俺に嘆願してくる。おおげさに肩を竦めて、じゃあミントにしなと頭をぽんぽんした。 素直にユキオがミントを注文し、受け取って隅っこの席に座った。 俺はそれを追わず、自分ぶんのアイスを頼んでからその横に腰を下ろす。 ユキオの手にはミント。俺の手にはチョコチップ。 「ああっ、チョコ! チョコチップ!」 にやっと薄ら笑いを浮かべて、大慌てのユキオにコーンに載っかったチョコチップアイスを見せびらかす。 悔しそうに眉をひそめ、ユキオは自分のミントにかぶりついた。子どもみたいでかわいいやつだ。 俺はチョコチップを、スプーンで深くすくった。 「ほれユキオ、あーん」 ぱあっと、一瞬でユキオの顔が晴れやかになった。明るすぎる笑顔。 やっぱりいいと思う。好きなやつが笑うのを見るのは、すごくいいと思うんだよ。 けど俺はミント嫌いだから、いらねえからな、ユキオよ。 ----   [[どちらかしか選べない>17-439-1]] ----

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