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さあ踏め! ---- 「さあ僕を踏むといいさ」 そう言われて、はいそうですかと踏みつける事ができる人間が一体どの位存在しうるのか 俺は途方にくれて天を見上げた後、目の前でタルーンと寝転がる彼を見つめた 「ふふふ、何を混乱してるんだ?踏め踏め僕の腹をグリグリしろ」 彼は更に仰向けになると身悶えながらじりじりとにじりよって来た 踏めと言われてもなぁ「間違えて腹を蹴ったらどうするんだ」 そう問うと、いきなり涙目になって怯えだした 「酷い、酷いよ、僕をいぢめるの?」 …踏むのはいいのか? 「それはスキンシップだから!愛情だから!!」 愛情なのか… 俺はそっと足を上げ、柔らかい腹にそっと乗せた。そのまま撫でる様に上下させる いや、本当に足で撫でていたんだ。彼はすこぶる機嫌良さげで嬉しいらしい さて、もういいだろう。「立ちなさい。お散歩にいくぞ」 「ワ~イお散歩お散歩~!!」 飛び起きた彼はキャッキャと跳ね廻る。尻尾は千切れそうな程にブンブンと振り回してる 動物の言葉が分かるというのも、意外に疲れるモノなのだ ペットショップで泣いていた姿に一目惚れして買ったのだが… まぁ、幸せだからいいか。 俺はリードを手に玄関に向かった。 ----   [[思い出のなかに生きる人と見守る人>17-419]] ----

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