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なんて男らしい
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窓を覆う厚手のカーテン越からのやんわりとした淡い日の光りによって、眠りの世界から浮上した。
まだ意識はぼんやりとしていて。
俺の隣には、まだ眠りの世界にいるらしい男が一人。向かい合うように、こちらを向いて眠っていた。
ふと時計に目をやるとすでに12時をまわっている。
けれど、カーテンに守られた日差しが少ないこの部屋は薄暗く、まだまだ眠気を誘う。
ぼんやりと見ていた天井から、健やかな寝息をたて眠り続けている隣の人物へと目を向けた。
綺麗な瞳は閉ざされているけれど、整った顔立ちは変わらない。
まつげ、ながい。
ちょっとばかし開かれた口が、エロい。
思い出すのは昨日の情事。なんてぼんやり思ってみた。
欲望のまま明け方までフル稼働した身体はずしりと重く、暖かなベットからは抜け出したくない。
だが、徐々に暇になってきたのも確かで。
暇つぶしとなるのはやはり目の前の人物で。
起こしてしまってはかわいそうだとは思うものの、手を伸ばし頬に触れた。
柔らかい感触。
暫し楽しんでみだが、起きる気配はない。
だが、いざ起きないとなると少し悔しい気もする。
ならば少しだけ、起きて、と念じつつ、顔を近づけ柔らかい頬にキス。
キスの雨を降らしていく。
それでも起きることがない。規則正しく動いている身体。
どうも悔しくなって、開かれた唇に狙いを定めた。
10センチ、
5センチ、
2センチ、
0センチ
ドガッ
「……朝から盛ってんじゃねぇ」
僅か数ミリ。
唇が触れる前に腹に衝撃。
「っ、…鳩尾は駄目だって‥」
「朝っぱらから盛ってるからだろ」
踞るように腹を抱えながら顔をあげれば、そこにはまぶたを開けているヒロの顔があった。
起こされたのが不服なのか眉間に皺を寄せながら。
「…ったく、昨日さんざんしただろーが。あ?」
「……はい。」
「次、起こしたら、」
「もうしません。」
よし、と一言残しまた布団を被った頼もしい恋人に、か弱くなれとか、可愛くなれとか言わないから、少しでいいから優しくしてください。
なんて心の中で願った。
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[[なんて男らしい>17-299-1]]
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