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しつこくアピール ---- なあケンジ、一緒にお昼食べようぜ! 「うるさいなぁ、読書の邪魔するなよ」 なんだよ冷たいな、ちょっとくらい構えよ。俺一人じゃ退屈なんだぜ。 「はいはいいい子だから巣に戻ろうね」 あ、こら、暴力反対! 俺はお前と違ってかよわいんだぞ! 「あーもううるさいな、腹減ってるのか? ほら」 いやお腹はそこそこ減ってるけどさ、お前と一緒に食いたいの! 「何だよ、わっかんない奴だな……あのな、俺は、この本を読みたいんだ。  だから、邪魔しないでくれ。な?」 ひ、ひどい……俺よりもそんな紙切れの束の方が大事だってのか!? いじめだ! 虐待だ! 俺はこんなにお前のことを愛してるのに! 「あーもう、言って聞くとは思わなかったけど……」 そうそう! 本なんか置いて、俺と一緒に遊ぼう! そして二人きりで…… バサッ。 鳥篭に黒い布をかける。やかましいさえずりが小さくなって、俺は小さくため息をついた。 「なつくのはかわいいけど、あいつ自分のこと人間だって思ってるんじゃなかろうな」 そういえば、長く人間に飼われた動物は、人に対して性的アピールをすることがあるという。 カナリアの囀りって、確かメスに対するアピールだったよな。うん。 「ま、いっか。読み終わったら遊んでやろう」 うるさいこともあるけれど、小鳥が拗ねたり甘えたりする仕草って意外に可愛い。 何だかんだで俺も甘いような気がするけれど、ま、可愛いものは正義だ。うん。 ソファに座ってしおりをはさんだページを開く。こういうのんびりした日も、いいもんだ。 ----   [[ゴリラを見に行きませんか?>18-379]] ----

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