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女形役者とその付き人
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日課のビデオを今日も見る。見すぎて劣化した画面に映るのはとある深窓の姫君。
くっきりした目鼻に白い肌。
だがその見た目よりも、僕は細やかな一挙一動から溢れる女性らしい美しさと色香に目が離せない。
次のビデオに居るのは優しく儚げな町娘。
先ほどの姫と同じ役者なのに、近づきがたい美しさから一転、今度は守りたい愛らしさを感じる。
触れるだけで壊れそうな繊細な指先の動き、柔らかい声、何もかもが愛おしい。
舞台とビデオでしか出会えない彼女達を、僕は本気で愛している。
決して現実で交わりあう事が無いと判っていても、あまりの女性らしい魅力に惚れこんだのだ。
次のビデオは
「おお、何だまた俺の舞台映像見てるのか」
振り返るとごつくて汚らしい親爺がいた。
「いつもいつも仕事熱心だなあお前は。女の噂も聞かないし、おじさん心配だぞー?」
剃り過ぎて青くなった髭跡を撫でながら豪快に笑う親爺に平然を装って返す。
「付き人として必然の事です。それにあなたが女の噂を立て過ぎなんです、奥方もいる人気俳優なのに。」
「何だよミツオちゃんはお堅いなぁ~。キャバクラは女性の勉強の一部だって」
ミツオちゃんも今度連れてってやるからさあ、と馴れ馴れしく肩を組んで来る親爺を無視してビデオに目を戻す。
何でこの下品で失礼な親爺が、あの美しく清楚で女性らしい娘達と同一人物なのか…
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[[コンビニ>18-219]]
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