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いいことあるぞ
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失恋した。それも自業自得で。
クラスメイトの女子にあいつとの橋渡しを頼まれて、断る事も出来ずに放課後の屋上にあいつを呼び出した。
のこのことやってきたあいつに彼女を紹介して、あいつの反応を見るのが怖くてそのまま屋上から逃げ出した。
息が苦しい。目の奥が熱い。心臓がいたい。
このまま、ばらばらになってしまいそうだ。
俺の方が彼女よりもずっと前からあいつだけを見てたのに。
俺の方があいつの事を好きなのに。
でも、男の俺じゃ駄目なことくらい嫌ってほどわかってる。
「…い、おいッ!!カナメ!」
「…っ?!」
後ろからぐいっと腕を引かれ、そのままの勢いで腕の中に倒れこむ。
「ひ、ろ?」
「何で、逃げてんだよ」
「…あの子は?」
もう告白は終わったんだろうか。ヒロは、あの子になんて答えたんだろうか。
「…お前が俺に用があったんじゃないのかよ」
「………え? いや。あの子がお前に告白…」
「お前は、俺に何か言うことないのかよ」
「えー…っと… 彼女とお幸せ。に?」
とりあえず、後ろから抱き締めるのをやめてほしい。
「………………他には?」
「えーっと…」
他には。他には、あるけど。それだけは言うわけにはいかない。
「お前に呼び出されて、すげードキドキしたんだけど。 お前、いっつも俺みてたし」
ちょっと待て自分。何か自分に都合よく解釈してないか?違う絶対違うからな!勘違いすんなよ俺!
「言いたい事言ってみろよ。多分、いいことあるぞ」
上から覗き込むようににっこりと笑顔を浮かべる。この笑顔に一目ぼれした。
「じゃないと、ずっと離してやらねー」
勘違い。じゃ、ないのかもしれない。
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[[二人まとめて>17-159]]
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