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へたれな君が好き ---- えーと、こんな時って何言えば良いんだ?  頭の中をぐるぐると意味の無い言葉ばっかり回ってる。  あーっと、えー、うーん……。  ぱくぱくと、口だけが言葉を発しないまま動く。  多分、顔も赤いし金魚みたいになってるんじゃないか? おれ。  アイツは、なんか困ったみたいに笑ってる。  ゆっくりと近付いて頬に触れた手に、少しだけ体が跳ねた。 「、ごめん」  直ぐに離れた手。俯いて、ポツリと呟かれた。  そうじゃないんだ。言おうとしても相変わらず空回りする唇。  代わりに手を延ばして、おずおずとそいつの腰に腕を回した。 顔を見られないように胸に顔を押し付ける。 「ちがくて、さ」  やっと言葉が出せた。  伝えなくちゃ、伝えなくちゃ。気持ちだけが急いてしまう。  こんな土壇場で怖がって、へたれなおれだけど。 「おまえが嫌なんじゃない。ただ、ちょっと怖くて……」  言うと、そいつはふわりと笑った。 「大丈夫。そんなとこも好きだから」  ぎゅう、と抱きしめられてアイツの体に包まれる。  さっき押し倒された時とは違う、優しい腕の感覚に少しだけ笑えた。 「もうちょい、待ってて」  顔を上げて、小さな声で言ってからそいつにそっとキスしてみた。  あー、ダメだ。やっぱ無理。絶対、顔赤い。  耐えられなくて、直ぐに顔を埋め直す。  さらさらと髪を撫でる指の感覚は気持ちいいけど……。  おれのへたれが直る時は、いつか来るのかなぁ。  少しだけ不安になった。 ----   [[受けの奴浮気しやがった>17-059]] ----
へたれな君が好き ---- えーと、こんな時って何言えば良いんだ?  頭の中をぐるぐると意味の無い言葉ばっかり回ってる。  あーっと、えー、うーん……。  ぱくぱくと、口だけが言葉を発しないまま動く。  多分、顔も赤いし金魚みたいになってるんじゃないか? おれ。  アイツは、なんか困ったみたいに笑ってる。  ゆっくりと近付いて頬に触れた手に、少しだけ体が跳ねた。 「、ごめん」  直ぐに離れた手。俯いて、ポツリと呟かれた。  そうじゃないんだ。言おうとしても相変わらず空回りする唇。  代わりに手を延ばして、おずおずとそいつの腰に腕を回した。 顔を見られないように胸に顔を押し付ける。 「ちがくて、さ」  やっと言葉が出せた。  伝えなくちゃ、伝えなくちゃ。気持ちだけが急いてしまう。  こんな土壇場で怖がって、へたれなおれだけど。 「おまえが嫌なんじゃない。ただ、ちょっと怖くて……」  言うと、そいつはふわりと笑った。 「大丈夫。そんなとこも好きだから」  ぎゅう、と抱きしめられてアイツの体に包まれる。  さっき押し倒された時とは違う、優しい腕の感覚に少しだけ笑えた。 「もうちょい、待ってて」  顔を上げて、小さな声で言ってからそいつにそっとキスしてみた。  あー、ダメだ。やっぱ無理。絶対、顔赤い。  耐えられなくて、直ぐに顔を埋め直す。  さらさらと髪を撫でる指の感覚は気持ちいいけど……。  おれのへたれが直る時は、いつか来るのかなぁ。  少しだけ不安になった。 ----   [[受けの奴浮気しやがった>17-049]] ----

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