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コーチ・監督 ---- 「監督。さっきから言ってますが、あのフォワード変えた方が良いですよ」 「いや、まだだ。シュートは枠には飛んでいる。相手のキーパー次第で奴さんまだやれる」 「監督。そもそも俺たちのサッカーというスポーツではフォワードが一番運動量が多いんです。  これから復調するとは考え難いし、もう彼は疲れきって左足を引き摺っているじゃないですか」 「いや。俺を信じて、俺の信じる選手を信じてろ。まあ見ておけって」 「でももう、ロスタイムの残り時間が!」 そのとき、相手のパスミスから奪ったボールをうちの司令塔が敵陣に向かい蹴り込んでいた。 左足を引き摺り苦しそうにプレーしていたうちの点取り屋が光の速さで前を向いた。 あぁ、そう言えば、あの司令塔と点取り屋も俺達のように高校のころからの名コンビだった。 2人して部員の指導からプレイヤーまでこなし、高校選手権の県代表までにしたコンビだった。 「おい、点だ!行くぞ!ここだ、行けーっ!!」 俺の隣で監督が立ち上がり叫ぶ。俺も同時に立ち上がりベンチから体を躍らせていた。 相手のキーパーは慌てている、上手くセーブできない。 ピーーーーー!!!!! 主審の笛が響く。見事にゴールが決まった! 選手が集まり歓喜の輪ができる。司令塔とフォワードが観客にどうだとばかりにアピールしていた。 間もなく主審が時計を見て確認をしてから試合終了のホイッスルを鳴らした。 「おい!やっただろう!コーチ!コーチ!!お前のコーチ就任後の初試合の勝利が決まったぞ!」 監督が抱きついてくる、俺も嬉しくてしがみついた。互いの胸の鼓動が聞こえてくる。 「監督、でも、どうしてあいつが点取るってわかったんですか!」 監督に信頼される選手、そして期待に答える選手。 俺の高校時代の先輩であるこの監督に呼ばれコーチに就任したチームは素晴らしいチームだった。 「どうしてって。そんなのわかるに決まっているさ」 「は?」 「あのフォワード、お前の高校時代に・・・。誰よりも信頼しているお前に、プレースタイルがそっくりなんだ」 「…!」 「試合が終わったら2人だけで祝勝会だな」 そう言って笑う監督は高校時代のように眩しかった。 今でも俺の一番大切な先輩の笑顔がすぐ隣にあった。 ----   [[裏切り者の憂鬱>16-709]] ----

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