「16-609-1」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

16-609-1」(2009/07/11 (土) 21:37:57) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

お題 ---- 貴方の声が、今も何処かで聞こえている。 「お前が死ぬのはすなわち私が死ぬ時と心得よ」 仰せのままに、と私は返事をし、そして強く心に誓ったのだ。 私の身が滅ぶまで、この想いは決して口にすることなく胸の底へ底へとしまい込み 誰にも悟られることなく、貴方を想い続けながら死んで逝こうと。 秘めた想いは強く、痛く、そしていつでも私の心を暖めた。 私のどんな小さな幸せも、貴方に差し上げられたなら。 貴方のどんな小さな悲しみも、私が代わりに受け止めることができたなら。 どこかの戯曲のような甘い言葉さえ、私は毎夜のように胸の底へ底へとしまい込んだ。 貴方に伝えたかった言葉が何百と浮かんでは、その度に飲み込んだ。 しかし私は私と交わした愚かな約束を、この先も守らなければならない。 その言葉たちは私を、たとえば貴方の写真の前で、我慢できぬと駆り立てた。 墓の前で、形見の前で、この先も私は人知れず涙を流すだろう。 貴方が最期に口にした言葉が、この先も私を縛り付けるだろう。 私がその言葉を聞いた時、貴方は既にその目を閉じておられた。 手から温もりが消えていくのを感じながら 私もですと小さく呟いたその言葉は、貴方に届いていたのだろうか。 後悔など役には立たず、貴方がいない事実だけが私を苦しめる。 もう、貴方はこの世にはいないのだ。 貴方が私の想いを知ることは絶対にないのだ。 今日も私は貴方の墓で――ホトトギスが一輪だけ咲く墓の前で、貴方を想って泣くのだろう。 胸の中で告げられなかったその想いを、一つの言葉に紡ぎながら。 ----   [[死ぬまで黙ってる>16-619]] ----
死ぬまで黙ってる ---- 貴方の声が、今も何処かで聞こえている。 「お前が死ぬのはすなわち私が死ぬ時と心得よ」 仰せのままに、と私は返事をし、そして強く心に誓ったのだ。 私の身が滅ぶまで、この想いは決して口にすることなく胸の底へ底へとしまい込み 誰にも悟られることなく、貴方を想い続けながら死んで逝こうと。 秘めた想いは強く、痛く、そしていつでも私の心を暖めた。 私のどんな小さな幸せも、貴方に差し上げられたなら。 貴方のどんな小さな悲しみも、私が代わりに受け止めることができたなら。 どこかの戯曲のような甘い言葉さえ、私は毎夜のように胸の底へ底へとしまい込んだ。 貴方に伝えたかった言葉が何百と浮かんでは、その度に飲み込んだ。 しかし私は私と交わした愚かな約束を、この先も守らなければならない。 その言葉たちは私を、たとえば貴方の写真の前で、我慢できぬと駆り立てた。 墓の前で、形見の前で、この先も私は人知れず涙を流すだろう。 貴方が最期に口にした言葉が、この先も私を縛り付けるだろう。 私がその言葉を聞いた時、貴方は既にその目を閉じておられた。 手から温もりが消えていくのを感じながら 私もですと小さく呟いたその言葉は、貴方に届いていたのだろうか。 後悔など役には立たず、貴方がいない事実だけが私を苦しめる。 もう、貴方はこの世にはいないのだ。 貴方が私の想いを知ることは絶対にないのだ。 今日も私は貴方の墓で――ホトトギスが一輪だけ咲く墓の前で、貴方を想って泣くのだろう。 胸の中で告げられなかったその想いを、一つの言葉に紡ぎながら。 ----   [[閉じこめる>16-619]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: