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朝にはいなくなる人
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あの人はいつも朝にはいない。まるで幽霊みたいだ。
日曜の夜に何処からかふらりとやって来て、俺に愛の言葉を囁いて二人で一緒のベッドで寝る。
俺が起きる頃にはテーブルの上に朝食が作ってあって皿の下にはいつものメモ。
“また来週 S”
あの人らしい綺麗で流れるような筆跡。メモを眺めコーヒーを飲みつつ出社の準備をした。
また憂鬱な一週間の始まり。早くも次の日曜が待ち遠しい。
一週間に一度の逢瀬。俺はそれで満足はしていない。
毎週メモを見る度に寂しいような悲しいような訳の分からない気分になる。
幽霊でないのなら、目が覚めた後もいてくれたっていいんだけど。
朝に消える理由はこれが誰にも知られてはいけない秘密だから?
歳の差に性別、確かに壁は多いけど。
待ち遠しい日曜の夜。来てほしくない月曜の朝。
太陽が昇らないことを何度願っただろうか。
また今日から、あの人を想う日が続く。
次の逢瀬で彼の愛を聞く時まで。
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[[もう会えないと思っていた >27-769]]
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