「28-239」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

28-239」(2014/05/26 (月) 03:23:32) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

親友以上になりたい二人 ---- 「…退いてくんない?」 「やだね」 酒に酔った勢いか、ユウジが唐突にマウントポジションをとってきた。 ユウジとはお互いを親友と認め合った中学からの付き合いだ。ぐだぐだと歳を取る内に俺達は大学生になり、こうしてどちらかの家で酒盛りをすることも増えた。 今日は珍しくユウジから誘ってきたもんだから、何かあったのかとは思っていたが。どうしてこうなった。 ユウジは俺の上に乗っかったまま動かない。心なしか表情も険しい。 「ユウジ、降りて」 「…やだ」 「重いから…」 嘘。本当は、重いから退いてほしい訳じゃない。その証拠に心臓が破裂しそうなくらいドキドキしてる。 俺はユウジの事が好きだ。勿論、LikeじゃなくてLoveの方で。 でもずっとこうして『親友』同士でやってきたのに、今更関係を崩したくない。 それにきっとユウジは俺のことをただの『親友』だと思ってるから。だから、俺は俺の想いを言わない。 「ケイはさぁ」 「…何」 「ケイは、俺のことどう思ってんの?」 しかめっ面のままユウジが問う。いきなりの質問に俺は少々面喰ってしまう。 「どうって、まあ大事な親友だけど。てかいいからさっさと―「それだけ?」 俺の言葉を遮ったユウジは、何故か泣きそうな顔をしていた。 「それだけって…」 「俺は、」 「俺は、ケイと親友以上になりたいよ」 酔いも今の状況も何もかも、吹っ飛んでいくような気がした。 ----   [[帰りたい>28-259]] ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: