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輪廻転生 ---- 「前世で俺とお前は夫婦だった」  克利が真顔でいうので、飲んでたビールを吹きだした。 「……なにそれ、前世とか信じてるの。霊感ありだったっけ、克利」  思わずからかい口調になったら、克利は口をとがらせて 「夢で見たんだよ、お前が俺の嫁さんでさ、どっかの外国でいっしょに暮らしてるの」 「どっかってどこだよ、なにそれ、全然なんにも具体的じゃないのな。どんな妄想だよ」  こいつさっきから結構な酔っぱらいだ。相手にしてられない。 「だって、夢だからよくわからないんだよ」 「じゃあ、ヨーロッパ? アメリカ? アジア? 時代は?」 「……さあ?」 「お前、もっと設定練っておけよ」 「だから、本当にわからないんだって」  克利はどこまでも引っ張るつもりらしかった。なんだかちょっと、俺はイライラしてきた。 「夫婦って、なんで俺が女なの、お前の方がなよっちいのに」 「結構、美人だった。仲良かったと思う」 「……あ、そう」  克利はヘラッと笑った。 「ストーリーはよくわからなかったけどさ、多分悲劇? 不慮の事故的な何かでさ……ふたりとも死んじゃうんだ、でもう一度生まれてくるの、それが現代、今ね」  そんなこと笑顔で言うのがよくわからない。今日の克利は気持ち悪い。 「それ、俺に言ってどうするの」  なんか突然限界が来た。 「帰る」  克利が俺に惚れてるのはわかってる。だからってあんなのないわ、ない。  ……本当に夢でみただけなんだろうな、克利。  あんな話で俺をどうこうしようなんて、作戦がたてられる頭の持ち主じゃないんだ。  嬉しそうな顔を思い出して、また腹がたつ。  じゃあ、よしんば前世で夫婦だったとしてだ、それが今の俺たちにどう関係ある?  ない。全然無い。  前世で夫婦だったから運命です、つきあいましょう、ってならねーだろ普通。  そんな電波、俺受信できない。俺、常識人だから。  そもそも、前世で夫婦なら男女で生まれてくりゃいいじゃないか。頭悪いんじゃないの、そいつら。  結局、所詮他人の話だ。俺たちのことじゃない。 「あーイライラする!」  俺なんか、初めて夢見た時から、前世で夫婦だったからこんな気持ちもったんだろうか、ってずっと悩んでたのに。  なんで克利は笑ってるんだよ。なんで全部飛び越えてるんだよ。  もっと葛藤しろ馬鹿め。 「おーい、和紀、待ってよー」  追っかけてきた。大きな声で呼ぶな、恥ずかしい。  もういい。いいから、さっさと告ってこい。前世なんか関係なく、俺たちは一緒に生きる運命だ。 ----   [[お菓子作りの上手い攻め>28-159]] ----

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