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プレゼントは首輪がいいな ---- 私が犬を飼い始めたのは3年前。犬といっても四足歩行する毛がふさふさの犬じゃない。 ――プレゼントは首輪がいいな 首輪の色は銀色がいい。彼の黒い肌が首輪で映えるだろう。 そんなことを考えながら地下に向かう。ご主人様の顔を見れて喜んでくれるかな。 「料理、運んできたよ」 「要らない」 「ダメだよ。ちゃんと食べないと、健康に悪いじゃないか」 ガリガリにやせ細った体、抜け落ちていく髪の毛。3年前に比べて美貌は衰えている。 それでもあの頃と変わらない綺麗な琥珀色の瞳。とても手放す気にはなれない。 「それに君は若いんだから。私みたいに、食べれなくなってから後悔しても遅いんだよ」 初めて彼を見たときはびっくりした。あまりにも美しい青年だったからだ。頭の回転も早く、話す内容は機知に富んでいる。 その時年頃だった娘と結婚して欲しいと思ったくらい……いや、やめておこう。娘はいない。余計なことは考える必要はない。 「それとも外に出ようか。お日様が照ってて気持ちがいいと思うよ」 犬として飼っているとはいえ人間。服を着せているし外に出たって大丈夫だ。 「捕まるよ、警察に」 「捕まってもいいさ」 強がりじゃない。捕まってもいい、死んだって構わないんだ。 「嫌だよ、外には出ない。貴方を刑務所に入れたくない」 「そうだね。じゃあ日光浴はやめようか」 彼が飼ってほしいと私に言ったのはいつだったろう。なんで私はそれを了承したのだろう。 「うん、外なんてどうでもいい。傍にいてほしいんだ」 わかることは、そんなことどうでもいいってことだけだった。 ----   [[何度も夏を繰り返す>27-399]] ----
プレゼントは首輪がいいな ---- 私が犬を飼い始めたのは3年前。犬といっても四足歩行する毛がふさふさの犬じゃない。 ――プレゼントは首輪がいいな 首輪の色は銀色がいい。彼の黒い肌が首輪で映えるだろう。 そんなことを考えながら地下に向かう。ご主人様の顔を見れて喜んでくれるかな。 「料理、運んできたよ」 「要らない」 「ダメだよ。ちゃんと食べないと、健康に悪いじゃないか」 ガリガリにやせ細った体、抜け落ちていく髪の毛。3年前に比べて美貌は衰えている。 それでもあの頃と変わらない綺麗な琥珀色の瞳。とても手放す気にはなれない。 「それに君は若いんだから。私みたいに、食べれなくなってから後悔しても遅いんだよ」 初めて彼を見たときはびっくりした。あまりにも美しい青年だったからだ。頭の回転も早く、話す内容は機知に富んでいる。 その時年頃だった娘と結婚して欲しいと思ったくらい……いや、やめておこう。娘はいない。余計なことは考える必要はない。 「それとも外に出ようか。お日様が照ってて気持ちがいいと思うよ」 犬として飼っているとはいえ人間。服を着せているし外に出たって大丈夫だ。 「捕まるよ、警察に」 「捕まってもいいさ」 強がりじゃない。捕まってもいい、死んだって構わないんだ。 「嫌だよ、外には出ない。貴方を刑務所に入れたくない」 「そうだね。じゃあ日光浴はやめようか」 彼が飼ってほしいと私に言ったのはいつだったろう。なんで私はそれを了承したのだろう。 「うん、外なんてどうでもいい。傍にいてほしいんだ」 わかることは、そんなことどうでもいいってことだけだった。 ----   [[何度も夏を繰り返す>27-399]] ----

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