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絶望×希望 ---- 目覚めると、光の無い場所に私はいた。 自分の存在すら危うくなりそうな漆黒の闇に、私は包まれていた。 不安ではなかった。闇は、ずっとここにいたいと思うような心地よさで私をあたためた。 時折聞こえる囁きは、寂しさを拭ってくれた。言葉はわからずとも、その存在を感じていられた。それだけで充分だった。 永遠に思える時を共に過ごしてくれたのは、その漆黒の闇だけだった。 ある時、真上から光が射し込んだ。 その瞬間、闇は大きくうねりながら光の方へと消えた。 行かないでくれ――と叫ぶ暇もなかった。 光は私を照らしたが、その刺すような眩しさは私にとって苦痛でしかなかった。 人は私を、箱の中に最後に残った希望と呼んだ。 闇は、絶望を招く災厄と呼ばれた。 あの闇が、どれだけの時を私と共にし、私を慰め続けたかを知らずに。 私にとっては、あの闇こそが希望であったことを知らずに。 ----   [[一緒に暮らそう>27-329]] ----

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