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視力のいい人×メガネフェチ ---- 大学の一室で、男がひとり分厚いハードカバーを読んでいた。 ふと、風が吹いた。男はページをおさえた。伸びぎみの髪がわずかにおちる。 視界の邪魔で軽く頭を振ったら、横から手が伸びて彼の髪をかき上げた。 「ああ、来てたのかい」 本から顔を上げて微笑む。 そこには、このあいだの春に院へと進学した元ゼミ生が立っていた。 本に夢中になっていて気づかなかったが、風はこの学生が入ってきたときに起きたらしい。 「眼鏡をかけると、髪も少しおさえられますよ」 「そんなに必要ではないな。それよりは、そろそろ髪を切るよ」 君の髪型の好みを聞いておこうか、と講師は笑った。 自分が何を言ったところで、きっと以前と同じ髪型にするのだろう、と学生は思った。 髪型にこだわりはないが、しいて好みと言えば、悔しいことにその髪型が好みであった。 出会ったときと同じ髪型だ。それよりも、もっと好みなのは―― 「絶対にメガネ似合うのに、なんでそんなに視力いいのかな、貴方は」 「姿勢や明かりには気を使ってるからね。それに伊達メガネは邪道だ、って前に言ってなかったけ」 「そうだけど・・・・・・貴方が俺のためにかけてくれるってなら・・・・・・」 「私にだけ例外を許してくれる、というのは嬉しいけど」 男はすっと立つと、不意打ちのようにキスをした。 「私もかけてしまうと、キスをするときぶつからないかい?それは嫌だな」 手が顔へと伸びて、眼鏡のアームをなぞる。そしてそのまま髪をなでた。 「これだけ目がよかったら、そのうちに老眼鏡をかけるようになるよ。それまで待てる?」 ---- [[ロボットアニメ >13-569]] ----

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