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味噌と豆腐 ---- 同じさやで育った君と僕。  将来何になるか話しながらいつまでも一緒だねと言っていたのに、枯れたさやから放り出されると別々の容器に入れられてしまった。 いくら泣いても呼んでも返事がない。 諦めて疲れた僕は袋に詰められ、トラックに揺られて大きな工場のタンクに。   今頃は君もきっと何かに加工されてしまってるんだろうね……。 僕も他の仲間たちと混ぜられて何かに成っていく。 君が居ないんだからもう何でもいい。 早く食べられて消えてしまいたかった。 そう思っているのに一年以上もほったらかされて発酵して味噌なった僕は、やっと出荷され店頭からある家庭にやってきた。 毎日の料理に使われ消費されて、いよいよ僕は味噌汁になって食べられる。 長かったな。 これでやっと僕の一生も終わるんだ。 鍋で溶けて他の具材に触れていると、ふと懐かしさを感じた。 懐かしくて暖かでこの感じは……。 真っ白な豆腐は、もしかして君なのか? でも君がなぜ今頃豆腐に? 機械の内部に引っかかって、一年以上外に出られなかったのか。 辛い体験をしたんだね。 でもそのおかげで、再び僕たちは巡り会えたんだね。 嬉しいな、嬉しいな。 ---- [[飲兵衛と下戸>26-709]] ----

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