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踏んでくれたまえ ---- じゃあ冒険家×前人未到の地でひとつ 「やあやあよく来たね君!ささ、早くそんな無粋な機械から降りて私を踏んでくれたまえ!」 「……」 「どうしたんだね?私に人類初の一歩を刻みに来てくれたのではないのかね」 「…なんかお前が誰にも触らせたことないって聞いてきたんだけど。  初めてのわりには、その、フランクすぎないか?」 「ああ、すまない。やっと人が来てくれたものだから嬉しくてね。  正真正銘初物だから是非とも君色に染めてくれ。  …も、もし、君が望むならその手に持っている旗に  突かれている私の写真を、博物館の中で衆人の目に晒してくれても構わんよ」 「初物のくせに意外とすごいこと許すんだな」 「勿論だとも。どれだけこの日を夢見てきたことか…ってどうしたのかね」 「帰る」 「え?」 「その様子じゃ、どうせ人間なら俺じゃなくてもいいんだろ。帰って誰か呼んでくる」 「ま、待ってくれ!!…違う。私は君をずっと見ていた。君を待っていたんだ」 「嘘つけ」 「本当だ。大抵の人間は私のことを嘘だ、幻だと馬鹿にする。  けれども君だけは、私を信じて、全てをなげうってでも探しに来てくれた」 「……」 「一途に私だけを思い続けてくれた君だからこそ踏まれたい、と思うのだよ」 「…わかった。  そのかわり、どんなに多くの人間がお前の身体を通り過ぎても、俺のこと忘れるなよ」 「…ありがとう。ああ、そうだ」 「どうした?」 「一応初めてなのだから、できれば優しく踏んでくれたまえよ」 「やっぱ嫌だお前」 ---- [[パラレルワールドの自分>12.5-249]] ----

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