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お説教
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「お前は、食った食器を水に漬けとけって何度言ったら分かんだよ!」
今日もスミに説教を食らう。
几帳面なスミと、ズボラな俺。しっかりしてるスミと、うっかり者の俺。
同い年なのに。ガキの頃からずっと、何かにつけて俺はスミに説教されてる。
今も、晩飯を食い終わって食器を放置していた俺に、風呂から上がるなりスミが説教を始めた。
「洗えって言ってんじゃないんだぞ。せめて漬けておくくらいしろ!乾いたらどんなに落ちづらいか…」
親に説教された回数よりも、スミに説教された回数の方が確実に多い。
まあこの説教も、母ちゃんによくされたけど…
でも今は、スミにばかりされている。狭いアパートで、寝食を共にする今は。
「ごめんなさい」
「態度で示せ!そう言ってちっとも治んねえな!飯抜きにするぞ!」
「わーマジごめんなさいいいい!」
実は、説教を聞くのは好きだ。なんて言ったら本気で怒られるだろうから言わないが。
わざとやってんのか!?って言われるだろうし。わざとじゃないんだけど。
でも無意識にわざとやっている部分もあるのかもしれない。愛をもって叱るスミが見たくて。
一緒に住むようになって、日常だったスミの叱る姿が更に身近になって、更に愛しくなった。
俺のために説教してくれるところも、料理上手なところも、俺を求めて夜ごと伸ばされる腕も、
女っぽい名前を呼ぶと嫌がるところも、全部好きだ。真澄。
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[[一番の味方>26-479-1]]
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