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たまには素直になってみた ---- 「抱いて」 「え?」 「せっくすしよう」 寝転がってポテチの袋を抱えてテレビに夢中な君を、ぼーっと見てたら ポテチの油で光る指先を丁寧に一本一本口で舐めてから(あーあ、ティッシュそこにあるのに) いきなりこっちを向いてそう言われた。 「え、な、抱いてってやっぱそういうこと?まだ9時だけどって、え?」 僕はばかみたいに口ごもって、君は呆れた顔をした。 「なに焦ってんの、いつもやってるじゃん」 そりゃいつも……だけど、そんなに綺麗な目で見つめられると君の口から発せられた「せっくす」 という言葉が信じられないみたいな変な気分。それに、しよう、と自分から言い出したわりに 君は僕を見つめるだけでポテチの袋も抱えたまま。 「しないの?」 「する」 そこだけは即答して、僕は違和感と一緒にぎこちなく君の隣に寝てそっと腰に手をまわす。 習慣で目をつぶり口を半開きにする君の顔が可愛いと思いながら、ポテチの油で光る唇に 軽くキスをしながら脚を絡めると、君の口から吐息が漏れて、僕は違和感なんて忘れて興奮した。 膝頭で君を刺激しながら、耳に息を吹き込むようにささやく。 「ねえ、なんで今日はそんなに素直なの?」 いつもだったら、僕がしつこく誘っても、疲れてる、とか眠い、とかいう理由で僕を 邪険に扱って、なかば無理やりするみたいになっちゃうのに(それも燃えるけど)。 「ん」 目をつぶって快感を追いかけていた君が、急に目を開けて僕を見つめる。 いつもより潤んだ瞳と赤くなった目元が超絶に色っぽい。 「お前、SMじゃないとダメなのかなって」 予想外の言葉に、思わず僕は動きを止め、君はじれったそうに無意識に腰をゆすった。 「やめない、で」 「エ、SMって。僕たちそんなことしたことないよね?」 僕は君の掠れた声に身体を操られるように動きを再開させながら、それでも 君の言葉があまりにも意外で、確かめずにはいられなかった。 君の懇願する様子や恥らう姿がとてもセクシーだと知ってるから、それは何回かは SM的なことをしてみたいとは思ったよ。正直、余裕がなくて君をベッドに押さえつけて 動物みたいに番ったり、今みたいにイレギュラーな場所でやったりするのも大好き。 いつもと違う君が見られるから。 でも実際にそんなこと言ったことないし、君を傷つけることなんて絶対にできない。 それにSMじゃないとダメってなんだよ。いつも優しくやってるじゃん。ああいうのも 大好き、だって君がとても綺麗に乱れるから。 「だって、なんか、いつも無理やりだし」 それはだって君が拒むから。 「そうじゃないと、興奮しないの、かな、って」 そんなわけないだろ、なに勘違いしてるの。ああ愛しい。 「そんなわけないだろ」 それしか言えずにぎゅっと抱きしめた。 「さっきだって、俺が誘ったら、嬉しそう、じゃなかったし」 「びっくりしただけだって!嬉しかった、すごく」 君から誘われたのなんて、ほんの数回で、それも僕の誕生日とかそういう特別な日だけで そう、僕はとても嬉しかった。 「ふーん」 無関心そうにそっぽを向いて、ただからだの快感を追いかけることに集中しはじめた君の横顔は、 でも少しだけ弛んで満足そうなのが、僕にはわかった。 「SMなんかより、素直なアナタが好き」 言い終わらないうちに、キスで唇を覆われた。 ---- [[台風のせいで>11-159]] ----

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