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攻よりでかく成長したかわいい受
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「…本当にお前なのか」
別れて居たのはほんの2年の事なのに、時とは残酷なものだ
最後に彼を見たのは向こうが14の春の事だったか
声が少女の様に甲高い事と華奢な体を大層気にしていたのに
たった2年で私を追い抜く程背も伸び、声変わりも済んでいた
彼はお父さんの仕事の関係でアメリカに行っていた
…向こうの食事が体に合った、という事なんだろうか?
「ショックだ、何たる悲劇」
あの、かわいらしかった天使の声も、少女とも少年ともつかない
曖昧な容貌も残っていなかった…これは世界遺産の遺失に近い
がっくりと肩を落とした私を彼はきょとんと見ていた
いや、悲しむまい
米食で見るも無残な姿にならなかっただけでも良しとしようではないか
「まー、向こうでバスケとか色々やってた所為かな~」
ちょっとは見られるようになっただろ?と彼は胸を張るが
私には以前のままの方が良かっただけに素直に頷けぬものがある
「俺がごつくなったから嫌いになっちゃった…?」
うなだれた私の横から彼が覗き込んでくる
ドアップの顔が突然目の前にあって心臓が飛び出そうになった
ああ、そうだ、このくるりとした小動物的な瞳はそのままだ
「いや、追い越されたのが少しショックだっただけさ」
彼の前髪をくしゃりと混ぜて、肩を組む
「俺だっていつまでも餓鬼じゃないもんね~!」
心地よい彼の腕の重みを感じつつ
いつまでも私の前でだけは餓鬼で居て欲しいと心の中で願った
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[[鼻歌>10-859]]
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