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本当は攻がしたい受と、本当は受がしたい攻のカップルの初逆転 ---- グロいかも 「まさか…そんな、お前が?」 驚愕する小柄な壮年の首を容赦なく青年は鎌でなぎ払う。 頚椎に引っかかった鎌を引き抜くと、鮮血をほとばしらせながら、どう、と壮年は倒れた。 鎌を懐紙で拭き清める青年の周囲には、無残に切り裂かれた死体が十、いや、二十は転がっている。 どれもこれも人相はよくないがどことなく人好きのする顔をしていた。 「これでやっと…」 青年はそうつぶやきながら何の感慨もなく死体を踏み散らかして、どこかへ去っていった。 その日の夜半、とある船宿で青年は宴席の中央にいた。 「初単独仕事完了おめっとさん」 「もうちょっと散らかさないで片付けてほしかったなぁ」 熊のような男や鼠のような男が口々に青年をねぎらったり、頭を乱暴になぜたりしている。 ここは、ただの船宿ではなく、人斬りや組織崩しを請け負う悪党の拠点であり よってこの宴席に参加している面々も、それぞれ血なまぐさい日常を送っているやくざものだ。 かまってくる周囲と談笑を交わしながらも、青年の意識はある一点に集中していた。 この徒党の古参、通称“蛇”と呼ばれる男の元へ。 青年は、五つの年に野垂れ死にかかっていた所をこの蛇に拾われた。 蛇にとってはほんの気まぐれ、蟻をつぶすかつぶさないか程度の気持ちであったが 青年は多大なる恩義と感謝、そして憧れを蛇に対して抱くようになった。 悪党が集う船宿は倫理も貞淑もあったものではなかったので、幼いころの青年がいようがお構いなしに、女や女郎を引き込んでの情事が繰り広げられていた。 青年も十四の年に女の味を知ることとなったが、周囲からも相手だった女にも驚かれるほど彼の心は高揚しなかった。 情事の間彼が幻視したもの、それは蛇の顔であった。 十五になり、少しずつ人斬りや引き込み役、偵察を単独で任せられるようになった青年は蛇に思いを、告げる。 「愛しいとか恋しいとか、そんなんはわかんねぇ。でもあんたとやりたい、とおもうんだ」 二人で行った人斬り仕事の後、血に塗れたままで、青年は言った。 あだ名の由来にもなっている、蛇革のムチを懐にしまいながら蛇はうっすらと笑んで、答える。 「いいぜェ、だがなァ、俺は半人前の甘ちゃんにケツ貸すのはやだぜ、ナァ」 その夜、青年は蛇に抱かれた。 痛い思いしかしなかったが、女とするより、いや誰とするより、ヨかった。 蛇はもともと面倒くさがりの無関心なので、受け身を好んでいたし、青年は健全な男子として相手を征服したかった。 しかし、意地とケジメが二人の関係を、逆転させていた。 「俺、一人前になったぜ」 ある田舎義賊の壊滅を依頼された悪党どもは、青年に単独で義賊の下へ向かわせた。 青年は義賊の頭領に取り入り、その娘と契って義賊の跡継ぎと目されるまでに溶け込んで 見事に義賊全員を斬り捨てることに成功した。 それが、冒頭の出来事である。 「ヘッ、高々二十人の田舎モンを切り捨てるのに半年もかかりやがって」 悪態をつきつつも、蛇の顔は笑っている。 宴は終わり、他の面子が廓へ繰り出し静かになった船宿の二階。 敷かれた布団が、明け放たれた障子から入る月光に白く浮かび上がっている。 手酌で酒をあおりながら、蛇は息子のような、情人のような…恋人のような青年をひたりと見つめる。 その眼差しはいつになく柔らかい。 「サァ、始めようか?」 お題本編には入ってない気がしますすみません ---- [[愛したい>10-579]] ----

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