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卒業 ---- 「あの後、ベンとエレインはどうなったと思う?」 久々にあの映画を見て―ストリップバーでのヒロインの頭上の乳首回しに声を合わせて大笑いした― ラストにちょっと感動してお互い涙を見せずに泣いて(その間は目を見交わさないのが礼儀)。  その後、いつも通りに愛を交わした後、寝入ろうとしたときに彼がそう呟いた。 「別れたと思う。ラストのあの表情見たろ」と答える。このあたりは手垢のついた話だ。 「彼らは僕たちほど変なことしていないのにね」 「そういう時代だったんだ。映画の手法だよ。  それに、母子に手を出すのは十分罪深いと思うぞ。俺はお前の父親にも母親にも絶対手を出さないし」 笑いながら枕で彼を叩く。単なる寝入りばなの馬鹿話だ。  ただ、その答えは予想に反していた。 「仮に、仮の話だからね。  ―僕が結婚を勧められているとしたら、どうする?」  その場合は話が違う。最後まで妨害する。暗闇とだって友人となってやる。 いざとなったら結婚式に駆け込んで阻止する。 ガス欠になっても絶対に阻止する。みっともない?迷惑?そんなのかまわない。 あくまで「仮の話」なのだから。 そして彼を攫ったら、絶対に別れない。  俺は自分に関してはハッピーエンドしか認めない。 ----   [[卒業>10-249-1]] ----

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