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たまにはこういうのもアリだろ ---- 体中の汗と、白濁した液が、暖かい濡れタオルでふき取られる。 「いらない」と静止しようとしても体が動かない。 体が限界なのか、させてやればいいと本当は思っているのか判らない。 手首足首に残った荒縄の跡、擦り切れた皮膚に軟膏が塗られる。 つんとした臭いのそれは傷口にしみるけれど、 やさしく塗布されるのが心地いい。 首に残った指の跡にそっと額が寄せられる。 殴られた頬に手が添えられる。 優しく、なでられる。 「なんなんだ、さっきから」 掠れた声がやっと出た。起き上がる気力は無いから寝転んだまま腕を組む。 「……たまにはこういうのもアリだろ」 「自分でやっといて治療か。そんなら最初からすんなっつう話だよ」 二人で、内緒話をする子どもの様に声をひそめて笑った。 ひとしきり笑えば、また部屋がシンとする。 「本当に好きなんだ」 俺の首に顔を埋めたまま、泣いていた。 ----   [[痛かったら手を挙げて下さいね。>10-139-1]] ----

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