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ギャル男受け ---- 勉強が好きか?と嗤われながら問われたので、僕は勉強が好きだ、そう答えた。すると、天才は違うなとかガリ勉とか、そんな言葉を掛けてくる。 勉強に勤しんでいる訳でもない。ただ、楽しいだけなのに。 しかし、周囲は嗤う。 そんな中で、1人だけ、周囲とは違う言葉を掛けてきた奴がいた。 奴とは今年から同じクラスになり、教師も手を焼いている。主に校則違反の髪型と、崩した服装、アクセサリー等において。 しかし、愛想が良くリーダーシップもとっていて、憎めない生徒とみなされている。 僕とは反対の奴と思っていた。 「いいんちょーって、勉強好きなんだ」 「ああ」 「オレもさ、服とか髪いじんの超好きなんだ!」 Mの字の前髪を触りながら満面の笑みで告げると、奴は手を差し伸べてきた。かと思えば、ぶんぶんと僕の手を握っては振る。 「おい、佐伯ー!そんなガリ勉と連むとか頭おかしいぜ!」 僕を天才と嗤った男が叫ぶ。そして、奴に頭をはたかれる。 「いいんちょーみたいに、好きなもんが無い奴は黙ってろ、ばーか」 そして、また僕に向き合う。 「いいんちょーの髪、超サラサラだよね。漆黒でキレーだし。スタイルもいいよね!」 そう言うと、僕の顔をじっと見つめる。自然に焼けた顔の色は僕の不健康な色とはまるで違う。しかし、その表情は僕と似ていた。面白い問題を見つけた僕の表情と。 「オレ、数学とかは嫌いだけどさ、服とかは超好きなんだ。なんか、自分ってこんだけ表現できんだって思ったり、似合わねーって思ってたサーフを着こなせた瞬間とか最高だし」 犬みたいにキラキラとしゃべり出す。この表情、なんだか愛おしい。 「ねえ、日曜日一緒に服見にいかない?いいんちょー、すげえ素材持ってるからさ!いいんちょーにも、この楽しさ伝えたいんだ!」 「…あんた、生き生きしてんな」 「あはは!分かる?」 「うん、可愛い」 裏表のないその表情に、真っ赤になったその表情に、僕も初めて勉強の楽しさを伝えたい、その前に日曜日の予定を空けなくちゃ、そう思った。 ----   [[一番知られたくないこと>25-779]] ----

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