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雨の日の告白
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仕事で知り合ったアイツは、整った外見だけでなくクールになんでも隙なくこなすいかにもデキる奴だった。
そんなアイツが幼馴染にだけは甘く、仕事中だろうと会食中だろうと電話一本で呼び出されていく。
どんな相手なのか気になって、一度後を付けて見にいったことがある。
幼馴染は、身なりに気を使わないガキみたいな冴えないドンクサそうな奴だった。
歩いているだけで何かへましてアイツは怒っているのに、その表情は俺が見たことのない優しい色を浮かべていた。
敵わない。
絶対にオレの想いは報われないと気付かされた。
このまま知らなかったフリで仕事仲間として側にいる事は出来るが、それじゃオレは先に進めない。
アイツに告白して、キッパリ振られる覚悟を決める。
思い立ったら即実行だとばかりに、雨が降っているのに傘も差さず奴の住まいに向かいながら「話したいことがある」とメールをする。
外出していたアイツと人通りのない歩道で会った。
濡れ鼠のオレに眉を顰めるアイツを真っ直ぐに見ながら、
「オレ、お前が好きだ」
「!」
味もそっけもない告白に本気で驚くアイツの顔を見ただけで、オレは絶望感に襲われ雨のせいだけではなく目の前がばやけ始める。
今なら涙は雨に紛れてアイツに気付かれないだろう。
それでも、判り切った答えを聞くまでもっと強く降ってほしかった。
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[[寝正月>25-729]]
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