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わたしのお兄ちゃんは… ---- わたしのお兄ちゃんは、自慢の兄です。いつも優しくて面倒見の良い、自慢のお兄ちゃんです。 勉強でわたしが困ったときも、一生懸命教えてくれます。でも、そんなお兄ちゃんを困らせる人がいます。 それは、 「よっす、コースケ。おっはよ」 「章太郎。苦しい」 この人。真壁章太郎さんです。名前のカタイ感じのイメージなんて本人には1ナノグラムもありません。 いつもマイペースでへらへらしてて、ナンパな人。わたしは正直この人が好きではありません。 でも。 「ちさとちゃんもおはよ」 「……おはようございます」 「今日も赤いランドセルがキュートだね」 「章太郎、何いってんの」 「(あ、)」 少し眉間に皺を寄せて笑う。このお兄ちゃんの笑顔を見せてくれるのは、真壁さんだけなんです。 わたしでもなくお父さんでもなくお母さんでもなく、真壁さんだけなんです。 だから本当は、お兄ちゃんに近づいてほしくはないけれど。 「ちさと?どうした」 「真壁さん」 「ん? なあに」 「うちの兄を、よろしくお願いします」 「…え?」 お兄ちゃんを幸せに出来るのは間違いなくこの人なので。 妹として、仕方なく真壁さんに任せようと思います。 泣かせたら承知しないんだから。 ----   [[殺したいくらいの愛情>25-589]] ----

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