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攻めに尽くしまくるワンコ受と 受けの態度に若干引き気味な攻め ---- 「お前そろそろ捨てられるんじゃねーの」 幼なじみでもある友人の一言に俺は少なからず動揺した。 実際、最近田辺がそっけないのは自覚している。 いや、考えてみれば最初からそうだったのかもしれない。 大学の入学式で一方的に一目惚れした俺が最初に告白したときも、 断られても月一で告白を続けて、十回目にOKを貰ったときも、 なかなか手を出さない田辺に焦れて、泣き落としで抱いて貰ったときも、 いつも田辺は呆れた顔をしていたような気がする。 田辺に捨てられるのだけは嫌だ。 それだけは避けたい。 「どうしたらいいと思う?」 藁をも掴む思いでつめよった俺に、幼なじみは当然の顔をして答えた。 「愛情表現を控えめにしてみるとか」 愛情表現を控えめに。 友人のアドバイスを頭の中で何度も唱えていると田辺が来た。 「あ!田辺!!おはよう!!!」 田辺はちらっとこちらを見ると近寄って来た。 「朝から元気だな。今日お前は昼からだろう」 相変わらず田辺は優しい。 いつもならここで田辺を褒めるのをぐっと我慢する。 「うん!あ、これ今日の弁当な」 「……ああ」 今日は田辺の好きなシャケ弁だ、なんてアピールはしない。 「あ、あとこれお前が休んだ時のノート」 「お前その授業とってないだろ」 「たまたま暇だったから出たんだ」 さりげなさを装う。完璧だ。 「……俺、これから授業だから」 「頑張れよ!」 そのまま、教室の中に入って行く田辺を見送る。 愛情表現はかなり控えめになったはずだ。 これで俺と田辺は安泰だ。 教室前のベンチに座った友人に向かって、得意げに振り向く。 しかしながら奴は、俺と目を合わせようとはしなかった。 ---- [[表示名>ページ名]] ----
攻めに尽くしまくるワンコ受と 受けの態度に若干引き気味な攻め ---- 「お前そろそろ捨てられるんじゃねーの」 幼なじみでもある友人の一言に俺は少なからず動揺した。 実際、最近田辺がそっけないのは自覚している。 いや、考えてみれば最初からそうだったのかもしれない。 大学の入学式で一方的に一目惚れした俺が最初に告白したときも、 断られても月一で告白を続けて、十回目にOKを貰ったときも、 なかなか手を出さない田辺に焦れて、泣き落としで抱いて貰ったときも、 いつも田辺は呆れた顔をしていたような気がする。 田辺に捨てられるのだけは嫌だ。 それだけは避けたい。 「どうしたらいいと思う?」 藁をも掴む思いでつめよった俺に、幼なじみは当然の顔をして答えた。 「愛情表現を控えめにしてみるとか」 愛情表現を控えめに。 友人のアドバイスを頭の中で何度も唱えていると田辺が来た。 「あ!田辺!!おはよう!!!」 田辺はちらっとこちらを見ると近寄って来た。 「朝から元気だな。今日お前は昼からだろう」 相変わらず田辺は優しい。 いつもならここで田辺を褒めるのをぐっと我慢する。 「うん!あ、これ今日の弁当な」 「……ああ」 今日は田辺の好きなシャケ弁だ、なんてアピールはしない。 「あ、あとこれお前が休んだ時のノート」 「お前その授業とってないだろ」 「たまたま暇だったから出たんだ」 さりげなさを装う。完璧だ。 「……俺、これから授業だから」 「頑張れよ!」 そのまま、教室の中に入って行く田辺を見送る。 愛情表現はかなり控えめになったはずだ。 これで俺と田辺は安泰だ。 教室前のベンチに座った友人に向かって、得意げに振り向く。 しかしながら奴は、俺と目を合わせようとはしなかった。 ---- [[ハンター>15-879]] ----

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